昨日の欧州序盤では、ドル円は100円台の後半であった。週末にFRBの副議長が利上げに関して前向きなコメントをしたこともあり、マーケットはやや利上げ観測が強まった状態であった。ドルは自然に買われ、ドル円も高値追いするものの、テクニカル面からいって、いかにも101円台へのトライは無理があるように見える。
その手前で大量のオファーが出てくるのは避けられないからだ。日本はお盆休み明けではあるが、海外勢が依然としてサマーバカンスで長期休暇中だ。市場参加者が少なく、そして出来高も少ない。これは海外市場にシフトしても同じであって、マーケットは動意が薄い。
ただ原油相場の軟化が顕著になった。イラクが5%の生産拡大を表明したことで、これでイランやサウジアラビアなど主要産油国はみんな増産体制に移ったことが明らかになったからだ。
要するに9月のOPEC会合に向けて、目いっぱいに生産枠を拡げておこうという思惑だ。それで生産枠を維持することになっても、歴史的な大量生産の状態のままが保持されることになる。それを嫌っての原油価格の低下であった。
それにともなってマーケット全体はリスクオフにさらされたが、いかんせんプレーヤーが少ない。それまで利上げ観測が強かったのだが、リスクオフによってドル金利は反転し、低下に向かった。ドル円も欧州時間から下げに転じ、ニューヨーク時間ではドルは安いまま、小動きに徹した。
今週は金曜日のイエレン議長のスピーチまでは様子見姿勢が続くものと考えられるが、ドル円が100円割れを喫したときに走るマーケットの緊張感や要人発言などには注意を要する。
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