昨日の欧州序盤では、ドル円は102円台の前半まで下がってきていた。先週の金曜日にドルの利上げで盛り上がったはずだったが、やはり短期金利が上がり切らないことで実態がともなわないドル買いに不安を感じたのだろう。アジア時間ではもっぱらドル売りが出てきた次第。後は夜中に予定されているブレイナード理事のコメント待ちである。
彼女はハト派寄りだとされているので、よほどのことがない限り、。9月利上げを助長するようなことはないだろう。そして実際にハト派的な発言だったら、ドル円も簡単に100円台まで下がってもおかしくはない状況だ。まったくありもしない9月利上げという幻想を追いかけていたことになるからだ。
そしてニューヨーク勢の参入を待たずして、ドル円は101円台に突入してきた。こうなるとドル円をロングで持っていること自体が怖くなってくる。私としてもドル円を売っていかねばと考えているくらい。
ドル円は戻しても102円台にちょっと突っかける程度で、本格的に上がる傾向は見られない。ドル円の安値は101.80あたりで、その間での神経戦となった。ブレイナード理事の発言は、それまでの利上げ期待を裏切るものだった。まだまだ利上げするにはリスクのほうが大きいとするもの。
それでドルは売られたが、すでにドル円のショートも溜まっていたようで、大きなディップは作っていない。ドル金利の9月利上げはなくなったものの、それを好感して米国株が急伸。それがリスクテークを誘ったのだ。
これで一連の金利関連のイベントは終わった。後はFOMCを待つだけ。マーケットはすでに9月利上げをないものとして進んでいる。また残り1週間で9月利上げを必要とするようになるかもしれない経済指標もない。いまさら小売売上高や景況指数などでFOMCの動向が変わろうとは考えられない。ドルを積極的に買っていく根拠に乏しくなったというわけだ。
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