■Fintechの大本命「ブロックチェーン」で株価爆上げ!
過去には、マウントゴックスの事件もあり、同社CEO(当時)が片言の日本語で行った記者会見の印象が強くて、なんとな~く、うさんくさい雰囲気がつきまとっていたビットコインですが、ここ1、2年で状況は急速に変わってきています。
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たとえば、2016年前半の株式市場における一大テーマとなったFintech(フィンテック)の大本命は、ビットコインの基盤技術である「ブロックチェーン」というもの。「ブロックチェーン」関連銘柄が、株式市場で怒涛の爆騰劇を見せたことを覚えている方は、多いのではないでしょうか?
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■ビットコインの法規制に向けた動きが加速
また、時を同じくして法規制に向けた動きも加速しました。
2016年3月には、ビットコインを正式に通貨の機能を持つものと認め、取引所も金融庁を監督庁とする登録制にするということを盛り込んだ改正資金決済法が国会に提出され、これが5月25日(水)に成立。1年以内の施行が予定されています。
同じく3月に行われた決済システムフォーラムでは、日銀の黒田総裁が日銀決済機構局内に、「Fintechセンター」を設立すると表明し、翌4月には同センターが設立されました。
【参考記事】
●仮想通貨の技術に日銀も興味津々!? FX会社でビットコイン1万円相当が当たる!

以降、銀行や証券会社などの金融機関をはじめ、法律や関連技術を保有する企業が参加するフォーラムが開催されるなど、ビットコインを始め、FinTechに関するあらゆる側面からの意見交換が継続されています。
今やビットコインは、日銀や国会、各省庁、民間企業、法律家、投資家を巻き込み、決済・財務その他あらゆる方面に技術革新をもたらすかもしれないFinTechという分野のシンボル的な存在として注目されているのです。
■とはいえ、まだ法律施行前の今は、不安な面も…
ただし、2016年8月には、香港を拠点とする大手ビットコイン取引所で、顧客のビットコインがハッキングにより数十億円相当盗まれたとされる事件が起きていたりします(本当に盗まれたのか、真相はまだ不明です)。
また、改正資金決済法の施行もまだもう少し先ですので、現段階では日本国内の取引所も登録制ではありません。
したがって、2016年9月現在においては、まだ日本国内のビットコイン取引所にうさんくさいところが混じっていてもおかしくはない…。
でも、改正資金決済法が施行され、取引所が登録制になれば、こうした不安も解消されていきそうです。そういう意味では、まだビットコイン市場は、「夜明け前」の状態と言えるかもしれませんね。
■マネパがいち早くビットコイン取引実現に向けて行動開始!
FX業界においては、少し時を遡って、2015年7月にFX会社・マネーパートナーズの親会社で、東証1部上場のマネーパートナーズグループが米大手ビットコイン取引所・Kraken(クラケン)との「業務提携に係る基本合意に関するお知らせ」を発表。
2016年1月には、マネーパートナーズのウェブサイトでビットコイン/米ドルのチャート表示を始めるなど、いち早くビットコイン取引の実現に向けて動き始めました。マネーパートナーズが業務提携の話を進めているのは、まさしくザイFX!にビットコインレートの提供をしてくれているKraken(クラケン)です!
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また、2016年春には、セントラル短資FXやFXトレード・フィナンシャルが、ビットコインプレゼントキャンペーンを実施するなど、先ほどお伝えしたマネーパートナーズを皮切りに、FX業界にも少しずつビットコインの波は押し寄せてきています。これは、見過ごせない事実。
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■ビットコインの消費税は非課税になりそう?
さらに、最近の話題としては、2016年8月末に金融庁が提出した税制改正要望において、ビットコインを含む仮想通貨が消費税の対象となるのかどうかを明確にするよう求めており、今後、ビットコインにおける消費税の扱いがどうなるのか?が注目されています。
ビットコインを物品購入やサービスの対価として支払いに使う際は、もちろん消費税がかかってきます。これは、まあそうでしょう。
しかし、ビットコイン自体を購入する際にも消費税がかかるとしたら、どうでしょう? 単純にビットコインを購入するだけならまだしも、トレード対象にするとしたら、取引するたびに消費税がかかるなんて、たまったものではありません。
海外ではビットコインを非課税とする国が多いらしいのですが、日本の場合はどうなるのか? 欧米の制度にのっとって非課税になるとしたら、ビットコインの用途はこれから格段に広がりそうです。
消費税の問題に決着がつき(ユーザーにしてみればもちろん非課税で落ち着いてほしい)、先ほどお伝えした改正資金決済法が施行されれば、取引所も金融庁を監督庁とする登録制になるワケですから、お上のお墨付きがつくということで、取引所に対する安心感もぐっと増してきます。
そうなれば、FX業界でもマネーパートナーズはもとより、それ以外にも、ビットコインの取扱いを宣言するFX会社や証券会社が増えてくるのではないでしょうか?
言ってしまえば、今後、数カ月前後でFX業界も巻き込んだ空前のビットコインブームが来てもおかしくなさそうな雰囲気なのです! で、近い将来に起こるかもしれないこうした状況に「先駆けて」、ザイFX!では、今回ビットコインチャートの導入に踏み切ったというワケなのです。
■ぜひ、ブーム到来前!?から情報のチェックを!
いかがでしょうか? マウントゴックス事件などによって、ビットコインに負のイメージしか抱いていなかったみなさまにとっては、新鮮な話もあったのではないでしょうか?
きっと読者のみなさまの中にも、きちんと法整備がなされて環境さえ整えば、ビットコイン取引自体には興味があるという人もいると思います。
法律の施行もこれからですので、お伝えしているとおり、まだ「夜明け前」の状況ではありますが、今のうちから情報をチェックしておいて損はなさそうです。
ということで、当記事では、ザイFX!の「FXチャート&レート」に、新たに加わった対円、対米ドル、対ユーロの3つのビットコインチャートについて紹介するとともに、ビットコインを取り巻く環境について振り返ってきました。
今後もザイFX!では、FXに関する情報だけではなく、ビットコインに関する情報もお届けしていく予定ですので、お見逃しなく!
(ザイFX!編集部・向井友代)
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