■ウェブサイトの小さな変化が株価を急騰させた!
2016年1月からマネーパートナーズのウェブサイトに新しい「通貨」のレートが表示されるようになった。他社では取り扱っていない、マネーパートナーズだけで見られるレートだ。
その通貨ペアは、「XBT/USD」。「XBT」とはビットコインの略号だから、「ビットコイン/米ドル」のレートということになる。このニュース、小さいけれど、大きな一歩になりそうな予感が!
■FXよりも株式トレーダーがいち早く反応した!
マネーパートナーズの動きに対して、敏感に反応したのは株式市場だ。ウェブサイトにはビットコインの基本を解説してくれるコンテンツもあわせて追加されている。そのタイトルは、「マネパが掘り下げるFintech」。
Fintech(フィンテック)とは、金融(ファイナンス)+テクノロジーを組み合わせた造語。株式市場では、2016年の一大テーマとなっている。
中でも大本命と目されているのが「ブロックチェーン」。ビットコインの基盤となっている技術だ。2015年末からブロックチェーンの関連銘柄が続々とストップ高をつけていて、さくらインターネットなどは株価が10倍へと爆騰したほど。
タイミング良くビットコインレートの表示を始めたマネーパートナーズも、この流れに乗った。レート表示の発表翌日から株価は急上昇したのだ。
(出所:株マップ.com)
■マネーパートナーズでビットコインが買えるのはいつ?
今回、マネーパートナーズのウェブサイトに掲載されたのは、ビットコインの世界的な大手取引所であるKraken(クラーケン)のレート。想像上の怪物の名を冠したこの取引所の名前、覚えている人もいるかもしれない。2015年7月、マネーパートナーズが提携協議の開始を発表した相手の会社だ。
両社の提携が実現すれば、マネーパートナーズでビットコインの取引ができるようになる。その時期について、マネーパートナーズの奥山泰全社長は以前から「早ければ今年度(2015年度)内にも」と公言しているし、売買以外にも他社との連携サービスを計画している様子もある。これが発表されれば、株価はさらに上がるかも。
【参考記事】
●ビットコインの衝撃(1) マネパでビットコインが買えるように!?そもそもビットコインとは?
●ビットコインの衝撃(4) マネパが2016年3月にはビットコインを簡単に使えるようにする!?
というのも、今のところ、日本でビットコインを取引できるのはベンチャー企業が開設した取引所と海外取引所の日本法人だけ。FX会社や証券会社で現在、取り扱っているところはないし、マネーパートナーズ以上にビットコイン取扱いに関連した発表を行った会社はない。
Krakenとの提携が実現すれば、マネーパートナーズが、金融機関としては初めてのビットコイン取扱い会社となる可能性が高いのだ。
■2016年前半に国会で仮想通貨関連法案の可決も
ただ、2015年7月の提携協議開始の発表から半年。イマイチ歩みが遅いように感じるのは、政府による取引環境の整備を待っているからだと思われる。
かつてFX業界に監督官庁も規制する法律もなく野放図だったころ、業者の夜逃げや倒産が日常茶飯事だったように、安心してビットコインを取引するには関連法案の整備や監督官庁が必要だ。
じゃあ、いつ環境が整備されるかと言えば、2015年12月に注目される動きがあった。首相の諮問機関である金融審議会の「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」が最終報告書を取りまとめて、ビットコインなどの仮想通貨取引所に対する規制の大枠ができあがったのだ。
(出所:『決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ報告~決済高度化に向けた戦略的取組み~』の概要」)
どんな規制になるのか、詳細はこれから詰めていくものと思われるが、報告書からわかる点を抜粋し、FX会社に対する規制と比較したのが下表だ。
※金融審議会の資料などを元にザイFX!編集部が作成
仮想通貨の取引所はマネーロンダリングなどを防止する犯罪収益移転防止法の「特定事業者」として金融庁に登録が義務付けられる方向で調整が進んでいる。
犯罪収益移転防止法の改正法案は、2016年1月4日(月)から始まった通常国会に提出される見通しだ。今国会の会期は、延長がなければ6月1日(水)まで。
マネーパートナーズの奥山社長が、当初話していた今年度内の取り扱い開始には間に合わないかもしれないが、2016年前半には法案が整備され、年央から後半にかけて取り扱いが始まるといった流れも予想できそうだ。
■ビットコイン価格も夏に向けて激変の予感……!
ビットコインの価格はどうなっている? というと、マネーパートナーズのウェブサイトでは、レートだけでなく、チャートも見られる。移動平均線も表示されているので、簡易的なテクニカル分析も可能だ。
このチャートを見ると、2015年10月から上昇トレンドが再開していたが、2016年1月中旬に移動平均線を下抜け。デッドクロスも発生して、調整局面入り、といった様子だ。
2016年夏頃には、ビットコイントレーダーが大注目する激熱イベント「半減期」が迫っている。ビットコインの採掘者に対して支払われるビットコインが半分に減少するのだ。供給が絞られることになるため、素直に考えれば、価格押し上げの要因だが、どうなるか――。
春から夏にかけて仮想通貨関連法案の可決、マネーパートナーズの取り扱い開始、さらに半減期とビットコインは大きな転機を迎えることになりそうだ。マネーパートナーズがホームページにつけ加えた小さな変化、大きな儲けの種になるかも!
>>>マネーパートナーズ[パートナーズFX]のスペック詳細はザイFX!の比較コンテンツでご覧ください
>>>マネーパートナーズ[パートナーズFX nano]のスペック詳細はザイFX!の比較コンテンツでご覧ください
(ミドルマン・高城泰)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)