(※2022年5月19日(木)、GMOコインに上場後のFCRコインの値動き追記)
GMOコインがIEOの募集を開始。5月18日(水)は暗号資産の世界が大騒ぎになりそう
来る2022年5月18日(水)、暗号資産(仮想通貨)の世界が大騒ぎになるかも―――そんな風に感じさせる出来事がGW(ゴールデンウイーク)直前に発表された。
GMOコインがIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)の募集を開始したのだ。
IEOとは、暗号資産交換業者を介して行われる資金調達方法のこと。GMOコインがトークン(※)発行者の事業内容や調達資金の用途などを審査したうえで、新規発行されたトークンの販売を行うもので、国内でのIEOは2例目となる。
(※「トークン」とは、既存のブロックチェーン技術を使って発行された独自の暗号資産のこと)
2022年5月18日(水)は今回のIEOの募集期限にあたり、GMOコインに新しいトークンが上場する日でもあるのだが、この日に「暗号資産(仮想通貨)の世界が大騒ぎになるかも」と記者が感じた理由。それは国内で初めて行われたIEOの様子にあった。
コインチェックのパレットトークンは上場後わずか30分で、販売価格から11倍暴騰。GMOコインの新たなトークンはどうなる?
国内初のIEOでは、コインチェックがパレットトークン(PLT)という新たなトークンを上場させたのだが、注目が集まったのはパレットトークン上場直後の2021年7月29日(木)の値動きだった。
詳しくは以下の【参考記事】をご覧いただきたいのだが、販売価格が4.05円だったパレットトークンは、上場後わずか30分で46.129円まで上昇。販売価格から約11倍となる暴騰劇を演じたのだ。
【参考記事】
●コインチェックが国内初のIEOを実施! パレットトークン(PLT)が約30分で11倍の暴騰!IEOはどうやって申込めばいい?(2021年7月30日)
※ミドルマン・高城泰氏作成
(出所:TradingView)
国内初のIEOで新規上場したパレットトークンが、上場後30分で販売価格から11倍暴騰したのだから、国内2例目のIEOとなる今回も、上場直後から暴騰する可能性があるんじゃないの?と感じたわけである。
もちろん、上場後の方向は、暴騰ではなく暴落だったり、あまり動かなかったりする可能性もある。そうなった場合、国内初のIEOと2例目のIEOでは、上場後の動きが違ったということで、それはそれで話題になりそうだし、今後続くであろう第3、第4のIEOの行方を占うことにもなる。
いずれにしても、2022年5月18日(水)はGMOコインに上場する新たなトークンに注目が集まりそうだし、IEOの募集も5月18日(水)までだから、本記事公開日の5月12日(木)時点では、IEOの申し込みにまだ間に合うのだ。
GMOコインが募集する新しいトークンは、FC琉球が発行する「FCRコイン」。サッカークラブが暗号資産を発行するワケは?
ここまでGMOコインがIEOで募集する新しいトークンの話題性に着目してきたが、新しいトークンが具体的にどのようなものなのか、説明を飛ばしてきてしまった。
今回、GMOコインが募集する新たなトークンの名称は「FCRコイン(FCR)」だ。
(出所:GMOコイン「FC RYUKYU SOCIO IEO ホワイトペーパー」)
上の画像にあるとおり、FCRコインのFCRとは「FC Ryukyu」、つまり「FC琉球」のこと。FCRコインは、Jリーグに所属する沖縄のプロサッカークラブ「FC琉球」が新規発行する独自トークンなのだ。
GMOコインはJ3時代の2018年シーズンからFC琉球をパートナーとして応援しており、FC琉球は2019年シーズンからJ2に昇格。2022年シーズンはGMOコインがオフィシャルトップパートナーとしてFC琉球をサポートしているといった縁から、今回のFCRコイン発行の運びとなったようだ。
日本のプロサッカークラブによるIEOは国内初の試みで、プロスポーツ界にとっても新たな挑戦となるそうだが、誰もやったことがないうえに、大胆とも言えそうなIEOに踏み切った背景には、多くのプロサッカークラブが抱える運営資金難があるという。
Jリーグに所属する多くのサッカークラブは、株式会社によって運営されるのだが、IPO(新規株式公開)が実質的に困難らしく、通常の株式会社のように、株式を通じて多くの人々から資金を募ることが出来ないそう。
そのため、サッカークラブの資金調達方法は通常、スポンサー企業による支援やクラウドファンディングといった方法に限られているのだが、今回、FC琉球はIPOではなくIEOを実施することで、運営資金を確保し、ファンやサポーターが直接FCRコインを購入して、FC琉球を支援できるしくみを構築しようとしているのだ。
FCRコインを活用したさまざまなサービスや特典あり!サッカークラブ運営における投票決議への参加権利も
さらに、FC琉球はFCRコインを活用したさまざまなサービスを「FC RYUKYU SOCIO」というプラットフォームを通じて提供する予定だ。
(出所:GMOコイン「FC RYUKYU SOCIO IEO ホワイトペーパー」)
FCRコインを保有するファンやサポーターは、「FC RYUKYU SOCIO」を通じて、お気に入りの選手やFC琉球にFCRコインを直接送付できるほか、FCRコインの保有数に応じて、限定グッズ、特別席への招待、選手と直接交流できるファン・サポーターミーティングなど、さまざまな特典が用意されている。
また、FCRコインと紐づけた投票を「FC RYUKYU SOCIO」内で実施。投票ごとに設定されたFCRコインを送付することで、サッカークラブ運営、グッズの選定、メディア露出など、FC琉球の運営に関して自らの意思を伝えることができるのだ。
つまり、FCRコインを積極的に利用すればするほど、FC琉球とファンやサポーターがWin-Winの関係になれるしくみが、「FC RYUKYU SOCIO」というプラットフォームなのだろう。ただファンやサポーターとしてクラブを応援したり、なんらかのサービスを受けたりするだけでなく、自らも「FC RYUKYU SOCIO」を通して運営に参加できるという点がおもしろそうだ。
FCRコインの中長期的な展開は? パレットトークンは上場から1カ月で販売価格の24倍以上になっていた!
FCRコインは、値上がり益狙いの人だと短期保有、FC琉球のファンやサポーターだと中長期保有になりがちなのでは?と想定できるが、FCRコインは中長期的に保有しても大丈夫なのだろうか。
そもそも、本記事を公開した5月12日(木)時点で、GMOコインにFCRコインは上場していないのだから、FCRコインの値動きがわかるわけはないのだが、ひとつ参考にしてもよさそうなのが、本記事冒頭で触れたコインチェックに上場したパレットトークンの値動きだ。
パレットトークンとFCRコインはまったく別物ではあるが、国内初のIEOと、それに続く2例目のIEOという共通点はあり、その値動きが参考になる可能性はある。
(出所:TradingView)
パレットトークンの販売価格は4.05円だったが、国内初のIEOという話題性からか、2021年7月29日(木)の上場直後から暴騰し、7月31日(土)には94円台に。その後いったん伸び悩むも、8月半ばから再び上昇し、8月23日(月)には98.898円の高値をつけて100円に接近。販売価格から実に24倍以上の上昇となった。しかし、それ以降は下落傾向が続き、2022年に入ると20円台をつけるなど、上値が重い展開が続いている。
もちろん、国内2例目のIEOとなるGMOコインのFCRコインが、パレットトークンと同じ動きになるわけではないが、もし似たような動きになるとしたら、10倍、20倍上昇する可能性だってあるのかもしれない。
そして、繰り返しにはなるが、GMOコインのIEOの募集は5月18日(水)までだから、本記事公開日の5月12日(木)時点では、IEOの申し込みにまだ間に合うのだ。
GMOコインのIEOに申し込むには当然、GMOコインの口座が必要。IEOの大まかな流れは?
それでは、GMOコインでFCRコインのIEOに申し込むにはどうすればよいのだろうか。
まず、GMOコインの口座を開設していないことには当然、FCRコインのIEOに申し込むことはできない。
GMOコインの新規口座開設方法について、詳しくは以下の【参考記事】をご覧いただきたいが、スマホと本人確認書類さえ持っていれば最短10分で口座開設手続きが完了するから簡単だ。
【参考記事】
⇒【GMOコイン】ってどう? 口座開設方法やメリット・デメリットをわかりやすく解説
続いて、GMOコインのFCRコインのIEOの大まかな流れは以下のようになる。
GMOコインのFCRコインのIEOの大まかな流れ
(1) 申込
(2) 資金拘束
(3) 抽選
(4) 割当
(1)申込では、会員ホームからIEOに申し込みを行う。(2)資金拘束で、申込金額拘束日時に申込金額が拘束され、(3)抽選が行われ、(4)割当で、当選者にFCRコインが割り当てられる。
(2)資金拘束と(3)抽選の時間は2022年5月18日(水)15時、(4)割当の時間は2022年5月18日(水)16時だ。
なお、(3)抽選の結果、 当選しなかったり、申込口数の一部のみが当選する「部分当選」となる場合がある点は、あらかじめ認識しておきたい。
GMOコインのIEOの最小申込金額は5775円
続いて、GMOコインのIEOの募集要項を詳しく見ていこう。
FCRコインの販売価格は1FCRコインあたり2.2円。
最小申込数は1口で、1口あたりの数量は2500FCRだから、1口あたりの購入金額は2500FCR×2.2円=5500円となる。
これに手数料が購入金額の5%かかるため、5500円×5%=275円の手数料を購入金額にプラスして、最小申込金額は5775円だ。
なお、割当日時は2022年5月18日(水)16時00分だが、取引所でのFCRコインの取扱い開始は、その30分~1間後の2022年5月18日(水)16時30分~17時00分が予定されている。
FCRコインの申込で最大50万円の現金が当たるキャンペーン!
最後にお得なキャンペーン情報をお届けしよう。GMOコインでは、今回のIEOを盛り上げるべく、「FCRコイン(FCR)のIEO募集開始記念キャンペーン第2弾!FCRコインの申込で現金が当たる!」キャンペーンを開催中だ。
こちらは2022年5月18日(水)14時59分までに、1口以上FCRコインの申し込みを行い、IEOの抽選対象となった方の中から、現金1万円が50口、総額50万円が当たるというもの。
興味がある方は、ぜひ、チェックしておいてもらいたい。
繰り返しとなるが、GMOコインのIEOの募集期限は5月18日(水)まで。本記事公開日の5月12日(木)時点では、IEOの申し込みにまだ間に合う。
国内2例目のIEOとなるGMOコインのFCRコインが、上場後に暴騰したコインチェックのパレットトークンと同じような動きになるかどうかはわからないが、キャンペーンも実施中のこの機会にFCRコインのIEOに申し込んで、抽選結果を楽しみに待つのもよさそうだ。
【参考記事】
⇒【GMOコイン】ってどう? 口座開設方法やメリット・デメリットをわかりやすく解説
(※以下、2022年5月19日(木)、GMOコインに上場後のFCRコインの値動き追記)
FCRコインはGMOコインに上場後、販売価格2.2円から0.49円まで約77%の大暴落!
2022年5月18日(水)15時、GMOコインが16時30分までのシステムメンテナンスに入った。FCRコインの申込みに対する資金拘束と抽選、割当を行うためだ。
システムメンテナンス直前まで申込口数をどうしようかと悩んでいた記者は、申込みと申込取消を繰り返しながら、最終的に110口を申し込むことにした。
そして、FCRコインの割当日時だった2022年5月18日(水)16時から待つこと19分後、GMOコインから抽選結果のお知らせメールが届いた。
110口申し込んで66口当選、ということは当選確率は60%だったということになる。他の人の当選確率はどうだったのだろうとツイッターを眺めてみると、おおむね5割から6割というツイートが多かったように思う。
システムメンテナンスが終わる16時30分から10分間はプレオープンの時間。実際にFCRコインの取引が始まるのは16時40分からだ。
暴騰か、それとも暴落か―――ドキドキしながら待っていると、取引がスタートした。そして、結論から言ってしまうと、FCRコインは大暴落したのである。
(出所:GMOコイン)
販売価格が2.2円だったFCRコインは、上場直後に2.639円まで上昇したものの、すぐに1円まで暴落。その後、2円台まで切り返す場面があったものの、次第に1.4円前後でのもみ合いとなった。
流れが変わったのは18時以降。売り圧力がどんどん高まって0.49円まで下落し、販売価格2.2円から約77%の大暴落となったのだ。
2022年5月19日(木)16時30分時点では0.60円付近で推移しており、当選した66口分、16万5000FCRコインを損切りしていない記者は、大きな含み損を抱えている。そして、FCRコインに当選した記者と同じような立場のユーザーが相当数いることが、容易に想像できる…。
FCRコイン上場からわずか1時間20分後、FCRコインの1日あたりの取引上限が引き上げられた
FCRコインが上場した2022年5月18日(水)16時40分から1時間20分後の18時以降、突如、売り圧力が高まったのはなぜか?
それは、GMOコインが18時に、FCRコインの1日あたりの取引上限を変更したことが影響しているかもしれない。
具体的には、FCRコインの1日あたりの取引上限が100万FCRから2000万FCRに、20倍も引き上げられた。
FCRコイン上場直後は1日あたりの取引上限が100万FCRで、たとえば100万FCR以上当選した大口のユーザーなどは、あっという間に1日あたりの取引上限に達してしまって、それ以上取引できない状況だったようだ。
それが、上場からわずか1時間20分後の18時に、取引上限が2000万FCRに引き上げられたことで、大口のユーザーが取引を再開。投げ売りの様相を呈して、0.49円まで暴落してしまったようだ。
お伝えしたとおり、記者は現在、66口分、16万5000FCRコイン分の含み損を抱えている。
結果としてFCRコインが値下がりしたのは仕方ないと思うが、どのような事情があったにせよ上場直後に1日あたりの取引上限を20倍に引き上げるという変更が行われたのは、やや事前のシミュレーション不足だったのでは?と思ってしまう。期待に胸を膨らませながら抽選に申し込んだユーザーの一人として、その点は残念だった。今後もGMOコインでIEOが行われるのであれば、できるだけ今回のように急なルール変更が行われることがないよう、何かしらの対策を検討いただきたい。
さて、本記事冒頭で書いた「来る2022年5月18日(水)、暗号資産(仮想通貨)の世界が大騒ぎになるかも」という予感は、FCRコインの大暴落という、なんともうれしくない形で実現してしまったわけだが、先ほども書いたとおり、2022年5月19日(木)16時30分時点で、記者は当選した16万5000FCRコインを損切りしていない。
FC琉球がこれから大活躍したり、FCRコインの新たな活用方法が話題になったり、とにかくどんな方法でもいいから、ここからバイ~ンとV字回復どころか倍返し、10倍返し、20倍返ししてほしいと切に願っている。
(ザイFX!編集部・藤本康文)
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