昨日の欧州序盤では、ドル円は109円台の前半。いつものようにここからリスクテークの勢いが強まるものだと考えている人々の、ドル円やユーロ円の買いが集中しそうになった。しかし昨日の欧州序盤では反対に調整の動きとなって、ドル円は108円台に逆戻りしたりもした。
素直に上がらなかった分だけ、余計なロングポジションは切れている。私もロングを持っていない。だからかわからないが、その後は思いのほか、値が軽くなった。ウソのように109円台の中盤まで上昇。そしてユーヨーク勢の参入となった。
経済指標がたくさん出たが、損なかでも比較的、重要度の高い住宅関連と雇用関連のデータが良かったので、グローベックスでは米国株がやや堅調。それがリスクテークを裏付けていることになるのだが、ニューヨーク序盤ではドル高はあまり進まなかった。
イエレン議長がスピーチしても、想定の範囲内。市場では12月利上げは完全に織り込んでしまっているので、それを追認するような程度のもので終わった。
ニューヨーク時間のランチタイム以降はリスクテークに弾みがついた。ドル円は109円台の後半まで上昇してきて、大台乗せを待っている。そしてドル円がいよいよ110円台に乗せてきた。これはニューヨーククローズ間際のことである。
ギリギリまでドル円は109.95あたりをウロウロしているだけで、なかなか大台突破とはならなかった。大台の手前であるだけに、テクニカル面からの売りものも出てくるから、必然的に抵抗することになる。
しかし日本時間の朝の7時から予定されているトランプ―安倍会談を期待してのリスクテークが徐々に強まった。それで一気に110円台乗せへ。同時に日経先物も18115円まで高値をつけにいった。
しかし会談はあくまでも私的なものであり、内容は踏み込んだものになるはずがない。それで会談が終了した後は、若干のポジション調整が優勢となった。東京時間ではさらにドル円は上値を伸ばすことにはなったが、これから少しずつ出てくる報道に注意を払いたいところ。
もしも大した結果が得られていないようならば、マーケットは一時的にせよ、調整を余儀なくされるだろう。ドル円が110円台を割り込んできて、さらなる深押しも覚悟しないといけないような局面も出てくるかもしれない。
トランプ政権の市場のハンドリングが試されるところだが、マーケットも新たな材料を探していた時でもあるし、目先は祝宴に酔うのかもしれない。
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