金曜日のアジア時間では、ドル円は114円台の前半であった。これは週のレンジをはみ出さないところ。そしてトランプラリーの途中の、もっとも高い位置ではある。これでラリーはおしまいだとは断言できない。まだ続いている過程だと考えて、相場に臨まないといけないところだ。
同時に114円台は高値警戒感も出てくるレベル。だから高値追いは慎重に、そしてテクニカル的にはまずは引きつけて逆張りでスモールのショートで入ってみるのが常道だ。そこで欧州序盤に114.50あたりまで下がってきたところで、私もドル円を少々、売ってみた。
上がってきたところをショートにするのだから邪道ではある。しかしこれはポジション量が小さいのと、114.90まで来てしまったら、そこからド転ロングにすればいいという、明確な反転ポイントがわかっているから手を出しやすい。ましてやショートは当たれば大きいのだ。ポジションはそれだけにドルロングでたまりまくってもいる。
しかしニューヨーク時間に近づくと、マーケットは急速にリスクテークに傾いてきた。非OPECも減産に同意しそうだというので原油相場も持ちあがってきた。グローベックスでの米国かbも堅調に推移しており、ドル円はついに115円台に乗せてきた。
私のポジションもショートの損切りに加えて、ロング転している。それでちょっと様子見姿勢となった。どこまでドル円が上がっていくのかな、と思って。フレッシュゾーンなので、それなりに買い戻しのストップロスも置いてあるだろう。
でも115.25あたりまで進んで、いきなりドル円は下落に転じた。ECBがイタリアの民間銀行の救済を拒否したというニュースが出たからだ。資金援助できないというのはECBのルールによるもので、事前から救済はできるはずがないことはわかっていたのだが、それが現実のものとなってビックリしてのリスク回避だ。
ドル円は簡単に114円台に逆戻り。私もせっかくロング転したドル円だったのに、同値で逃げるのがやっと。結局はショートの損を取り返すことはできなかった。ニューヨーク時間の午後にはマーケットは落ち着きを取り戻し、小幅ながらも米国株は歴史的な高値を更新して終了。リスク許容度も回復して、ドル円は115円台に戻しきって終了している。
今日はイベントがない。しかし今週は結構、大きな材料が控えている。注目度は薄いとはいえ、FOMCがある。12月利上げは議論の余地がないが、来年の利上げペースについては何かコメントが出てこないか、重要である。
またトランプ氏が記者会見をするというのも重要だ。そしてあまりマーケットには関係ないのかもしれないが、週の後半には日露の領土会合が控えている。
日本時間 14時30分
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