昨日はアジア時間でドル円が下がった。先週につけた今年の安値である115.09を目指す動きとなった。結果として昨日の安値は115.21までだったが、それでもよくもそこまでご丁寧に下押ししたな、という感じである。
もちろんトランプ大統領の記者会見を最大のリスクとしてのリスク回避の動きであることには間違いがない。とはいってもトランプ氏の会見はもっと前から決まっていたことなのに、なぜ年明け以降も何度も株価やドル円がラリーに見舞われたのかというのが疑問である。
わかっていても知らないふりをして、好材料だけに飛びついているのが、現在の相場のモロさをうかがわせる。しかし欧州序盤ではドル円やユーロ円は切り返し。10日以上も続騰しているイギリス株に見られるように、欧州株はもっとラリ―を続けていたからだ。
リスクテークの流れが強まってドル円も116円台に戻したりしたが、ニューヨーク時間では逃げのフローが出てくることとなった。まずは原油相場が軟化。50ドルの大台こそキープしたものの、目先は原油価格が上がっていくだけの材料に事欠いている。それがリスク回避の流れを強めた。ドル円は再び115円台の前半まで押し込まれた。
ドル円は115.10から115.30のレベルはチャートで見てもわかるように、きれいなサポートを形成している。いうまでもなく当面の作戦としては、そのレベルのちょっと手前でロングにして、回すだけ回す。そして114円台に突入と同時に、ド転ショート攻めである。
トランプラリーが続いている中、今日はトランプ氏の記者会見が予定されている。日本時間では明けて翌1時くらいからとされている。なぜこれほども注目を集めているのかといえば、トランプ氏の情報発信はもっぱらツイッターからだったということが起因している。報道を見ていてもわかる通り、「ツイッターから」となっている。
普通の要人発言だったら「ロイター伝」とか「AFP発」などといって通信社が発信元になるところだ。これが大手メディアなどから批判をこうむっているのだ。メディアからすると既得権益の侵害のように映るのだろう。そしてトランプ氏もメディアを敵視してきたことも事実だ。
ともかくも公式の会見に臨むというのは、ただのつぶやきではとどまらない。好きなことだけを述べていればいいわけではないからだ。トランプ政権で推し進めたい政策の、就任前の最初の踏み絵の場となることが期待される。
日本時間 15時40分
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