昨日は米国株が大幅上昇した。月曜日と火曜日にトランプ大統領が次々と大統領に署名を施し、予想以上によくやっているなという見方が強まったためである。逆にいうと、これまで言ってきたことは選挙戦でのキャンペーン用であり、実際に大統領の職に就くと本人も政策をマイルドに変更するのではないかと思われていたのだ。それが反対の意味でのサプライズを誘ったことになる。
米国株の主要指数の一つであるダウ平均が、2万ドルの大台を突破してきたのが話題になっている。いうまでもなくダウ平均という株価指数が、歴史的にもワールドワイドにもとても馴染みが深いからだ。
ダウ平均が2万を超えてきたのはひとつのイベントでしかなく、見なくてはいけないのは他の主要指数も大きく上げていることでなのである。要は市場全体のリスク許容度がどうであるかを認識することが重要なのである。
株価が上がっているからといっても注意しないといけないのは、ドル円やユーロ円の為替レートがまったく上がらなくなってしまったことだ。通常であればリスクテークとしょうしてドル円も上がりそうなものなのだが、反対に下がってしまっている。
これもドル高を許さないであろうトランプ政権の意向が反映され始めているのだ。もういいとこ取りをしてもよいレベルではなくなってきているとも言える。ユーロドルも含めてドルの是一体的な水準としては、11月の選挙後の動きのなかでは依然としてドル高のままである。
トランプ氏がこだわるのも無理はない状態が続いているのである。リスク相場として株価とドル円の相関性は薄くなってくるのかもしれない。たとえドル金利が想定以上に引き上げられることになっても、ドル高になることを前提にしてポジショニングするのは危ないのかもしれない。
今晩はいろいろと経済指標が出てくるが、それらに一喜一憂するよりも昨日に上げてきた米国株の値保ちのほうが市場の関心であろう。米国株が一段高するのかどうか。それとも利食い売りで押し込まれてしまうのか。不穏な動きが垣間見られると、ドル円はすぐに今年の最安値水準である112円台のミドルまで押し込まれてしまいそうだ。
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