先週の金曜日は夕方からリスク回避の動きが強まった。まずはイギリスに小売り関連の経済指標が悪かったことで、ポンドが下落。これがポンド円などクロス円の下げ圧力を増した。クロス円が下げると、どうしてもリスクを取りにくくなる。欧州株も下げ幅を拡大し、ドル円も112円台に突入してくる。
私もちょうどドル円がベアだったので、たまたま昼間から113円台でのショートを持っていた。せっかく112円台まで差し込んできたのだから、もうちょっとだけ売り増ししてみる。ポジション量を増やすことによって、損益のブレが大きくなる。
それは為替レートの動きに余計にセンシティブにならざるをえなくする。ちょっとでも113円台への回帰が見えれば、そこは全部のポジションを買い戻してスクエアにするところなのである。
ドル円の突込みは112.75あたりまでだった。私は戻ってきたところの112.84でポジションをクローズしたが、基本的にはまだまだ下がってもおかしくはないと考えていた。そこで次なる売り場探しである。113円台まで戻すことを前提としていないのが、113円ちょうどをつける場面もあったりしたが、そこでは実際に売りこむことはできなかった。
ニューヨーク時間になるとトランプ政権内での税制改革の扱いが困窮しているという報道もなされ、国境税や大型減税は予想されたものよりも小規模なものになるのではないかとの悲観論が台頭してきた。それに合わせてグローベックスセッションでは米国株は下げ足を加速。
またトランプ政権では軍の兵士10万人を動員して不法移民を摘発するのではないかとの報道も伝わった。クロス円の全面安はそのまま続いて、ドル円も頭が重い。ニューヨーク時間ではドル円はずっと112円台にステイしたままとなった。ソフトバンク関連の買収話が出てきたことで米国株は切り返したが、ドル円もユーロ円も値を戻すことはなかった。
今日はアメリカが休み。市場参加者が少ないということで、マーケットにはダイナミックさが欠ける展開が続くことになろう。トランプ政権のインフラ投資について何か話しが出てくると伝わってもいて、昼間には強ぶくんだ日本株だった。
欧州以降にリスクオフの流れに変わっていくのか、キープウィッチである。もしそうした流れとなってドル円は下げ始めれば、結構、あっさりと今年の安値圏である111円台の中盤まで下げてしまうのではないかと思う。
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