最近のパターンとして、ドル円はアジア時間でやや下がり、欧州序盤で切り返す。ニューヨーク序盤で高値追いはするものの、ニューヨーク時間では総じて下がってきて113円台の前半でアジア時間に戻ってくることが多い。
昨日のアジア時間でも同じでドル円は112円台に突っ込むものの、やはり欧州序盤にかけては切り返しにかかった。私もあまり動かないと思っていたから大型出動をするつもりはないが、112円台で軽く買ってみて、113円台に乗せてきたところを売りしのいだ。あまり高値を追いかけるつもりはないのだ。
注目は欧州時間ではユーロ円が強かったことだ。上昇して129円台まで上がってきた。ECBの議事録の中で金融政策の変更についての示唆があったからだが、それは同時に金利上昇をももたらす。
ドラギ総裁はそれに近いことを公言していたのだが、ユーロ金利は短期にとどまらず、長期も上がってきたのである。それがユーロの全面高を支援したのだ。ユーロドルも1.14台まで戻してきて、ユーロクロスはおしなべて水準を切り上げている。
欧州債の下落に伴って米国債も下落。円債まで下落してきた。長期債の下落は企業コスト負担を増大させる。米国株は大幅に下げた。リスクオフが前面に出て、ニューヨーク時間ではドル円は下げた。
日本国債の買い入れなどで不確かな手法でしかマネージしてこなかった日銀なのだが、今日になって10時過ぎに買い入れオペの増額を施した。これによって円債相場は持ち直して、日経先物も100円ほどプッシュアップされてリスクテークに。
しかし昨日の世界的な債券相場の下落に背中を押されて場当たり的な対策は、あまり意味を持たないように思われる。それよりも今夜は雇用統計だ。昨日の民間調査があまり良くなかっただけに、今夜の発表が悪くても驚かないぞ、と言いたいところだが、今回の結果によっては9月のFOMCの姿勢を変化させる。
市場の期待通りにバランスシートの縮小を打ち出せなくなる可能性も出てくるのだ。だから雇用統計が悪い方向で出てしまった場合には、マーケットの反応は大きなものとなることが予想される。
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