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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

ドル金利の先高観は後退、
ドル円の差し込み具合を確認したい

2017年07月13日(木)15:41公開 (2017年07月13日(木)15:41更新)
持田有紀子

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 昨日はイエレン議長の発言でマーケットが動いた。議会証言でしゃべる前に内容はドラフトとして公開されたので、もっぱらその時点での反応が発射点となった。FRBの動きとしてこれまでの予想のコンセンサスでは、9月にバランスシートの縮小を開始して、12月には25べーしすの利上げと見込まれていた。

 まずは9月のFOMCに向けて、どのような手順で買い入れ国債の量を減らしていくのかを説明するのかと思われたが、時期も含めて何の詳細な解説もなかった。また最近のインフレ率の低迷を気にしていることを指摘。そのうえで12月利上げも急ぐ必要はないと明言したことから、ドル金利の先高観が払しょくされた。

 そもそも前日のドル円、ユーロ円の下げによってロングポジションのシコリが意識され、ダウンサイドリスクには弱い状態であった。ドル円はアジア時間では一度も114円台に戻さずに、113.50-60レベルでドラフトの公表を迎えたのだ。ドル安で反応したのだからたまらない。

 ドル円は112円台に突っ込んだ。しかし金利上昇が先延ばしされるということは、企業コストの増大が少なくなったことを意味する。米国株は大きくジャンプ。ドル円の下げと海外株の上昇という反対方向の動きが見られたということは、これはリスク相場ではなく完全な金融相場の様相を呈しているということだ。金融政策の話なので、金融総兄なるのは当然のことではあるが。

 今日のアジア時間では、ドル円は113.10台で帰ってきた。前日の安値は112.94だったのだから、安値圏で張り付きといえばいえるが、一方で112円台から反発してきたとも言える。つまり底打ちだと解釈したい人もいるわけで、早朝からは日本人がドル円を買ってくる傾向が強い中では格好の買い材料とされてしまいそうだ。

 私も朝の8時前からドル円をロングにしてみた。値動きだけから観察すると、もちろんドル円は戻り売りなのである。しかし目先に出てくる需給にあらがっても仕方がないところだ。少なくとも仲値決めまではポジションを持っていようかと思っていた。

 ご丁寧に9時半ごろまでに114.50近辺まで値を上げてきた。これはイエレン議長の演説原稿の出てくる直前の水準である。まったく全戻しになったといってもいい。これでは仲値が決まるまでの間にもう50ポイントも吹き上がるかと思われたが、逆に仲値に向かってドル円は下がってしまった。

 私も113.30台で売り逃げするのがやっとで、あっさりと朝のレベルである113円台の前半まで押し込まれてしまった。そして再び112円台に突入。前日の安値をも下回ってきている始末。

 ドル金利の話なのだから、3か月、半年ベースのファンダメンタルズは大きく塗り替えらえれたといってもよい。ということはもうちょっとドル相場の下げは続いてもよさそうだ。

 今晩もイエレン議長は議会証言するが、これは昨日と同じ内容だろうから、マーケットの反応はない。問題はドルの押し目である。ドル円は先週の始まりが112円台の前半だったのだから、少なくともそのあたりまで押し込むかどうか。

日本時間 15時30分


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