マーケットでは欧米の金利会合を控えて、積極的に活動できない状態が続いている。金利会合から何かを期待しているわけではないが、どうせ今から動くのであれば結果を見てからという気持ちのほうが強いようだ。アジア時間でドル円が10ポイントほどのレンジに終始したのは仕方がないにしても、海外を通じても30ポイントほどしか動かなかった。
アメリカのPPIは代表的なインフレ指標なのだが、これが強めに出たのでドル金利が上昇。金利上昇でコモディティは下がったが、為替相場への影響は限定的だった。金利上昇で銀行の利益が潤うという見方から、金融セクターが強くて、米国株は歴史的な最高値を更新して終了した。
昨日の海外市場でややリスクテークの流れが強まったのは、共和党の幹事長が「減税法案の一本化は間もなく達成できる」と発言したからだが、これとても為替相場を大きく揺さぶることにはつながらなかった。
ニューヨーククローズ近くにはCNBCからの報道では「法人税は21%に下げ、適用の開始は2018年から」ということに決まったようだ。しかしマーケット反応としては小さいものにとどまっている。
今晩もインフレ指標の第2弾としてアメリカのCPIが出るが、昨日ほどの盛り上がりはないだろう。ものの性質上、CPIはPPIよりも3カ月以上の遅行指標となっているからだ。インフレ率が高くて好感するというのも本義からするとおかしなものだが、そうした現象は今日は見られないだろう。
夜中にFOMCがあるが、12月利上げを予想通りに行った後の、イエレン議長の最後の会見しか見ものはないだろう。それとても辞めていく人の発言だから、踏み込んだものは出てきそうにもない。後に続く人の手足を縛ってしまうことになるからだ。よって発言はかなり控えめになるものと想像される。したがってマーケットは静かなままだろう。
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