いよいよドルの全面安の流れが強まってきて、さてここからどこまで進むのかなと緊張感が増してきた。欧州序盤ではムニューチン財務大臣がドル安発言に対して言い訳がましいことを話していたが、マーケットはほとんど無視。
そもそもムニューチン発言でドル相場が下がったからではないからだ。前日よりも1円ほどレベルを下げて、109円台の前半でのせめぎあいで、ECBの金利会合とドラギ総裁の会見を待つこととなった。
注目はユーロドルである。1.24台まで上がってきて、まだ上げたりない感じである。まだ1000ポイント上がっても不思議はないくらいに、ユーロの先高観が強い。それをどのように払しょくするのか。金利面から「当面は利上げはしない」というくらいでは収まらないだろう。
しっかりとユーロ高に対して懸念を表明するのか。それだけが関心事項である。ユーロドルで流れが変われば、ドル円も一方的な下げではなくなるだろう。ユーロに関係のない投資家であっても、重要なイベントであった。もちろん金融政策を変更することは、まったく想定されていない。足元で広がりつつある火消しだけである。
その会見では経済の成長ペースが強調されただけであって、ユーロ高に対するけん制は出なかった。それでユーロは一気に買い進まれ、1.25台へジャンプ。私も1.25台に入ったらユーロを買おうと思っていたのだが、1.2508でやっと買えた状態だった。
それも値動きがチョッピ―だったので、持っているのも不安になり早急に利食い売りをしたりした。1.2500をはさんでの神経質な動きに転じたのだ。ドラギ総裁がやや遅れて「最近のユーロ高は誰かのせい」といって、暗に口の軽いつぶやき男を非難したからだ。
それでもユーロは高値圏を維持しており、ドル円も108円台で定着しそうに思われた。朝方になってトランプ大統領が「ドルは高いほうがいい」と言って、前日の財務長官の発言内容を誤解していると弁明に回った。これでドル相場は急速に反発。ドル円もユーロドルも100ポイント以上もドル高に傾いて、ニューヨーク時間を終えている。
今晩はトランプ大統領のダボス会議でのパネルトークが予定されているが、昨日の間にすでに言いたいことを抑えきれずにしゃべってしまったので、目新しいこと、マーケットに大きな影響を与えることはなさそうだ。
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