先週の金曜日はアジア時間に米政権の大統領補佐官が解任されたという話が伝わって、日本株が軟化したと同時にマーケット全体がリスクオフに傾いた。ドル円も106円台まで回復していたのだが、簡単に105円台に逆戻り。今度は今年の最安値である105円台の前半がいやおうなく意識させられる展開となってきた。
最近のパターンで欧州序盤からリスクテークの巻き返しが入ることが多いので、私は105円台突入と同時にショートに振っておいたドル円を、105.77で買い戻した。このステージでの安値は105.65あたりまでであり、これがこの日の安値を形作ることとなった。
海外市場ではドルが買い戻された。ドル円は106円台まで戻してきて、ユーロドルも1.22台まで下がってきて値を戻さない。格別にドル買い材料があったわけではないが、資本市場があまり不安定な動きをしなかったという消極的な理由によるドルの買い戻しといった面のほうが大きかったのだろう。
今週の最大のイベントはFOMCであろう。しかし世の中のコンセンサスとしては0.25%の利上げは織り込み済みである。今回の金利会合で注目すべきなのは、今後の金利動向がどうなるかである。
今のところ年3回の利上げペースが見込まれているが、これを年4回か5回にまでペースが上がるような文言が見いだされるかどうかである。しかしマーケットの状況やそれを取り巻く外部環境には何ら激変は見られないので、FOMCでの声明文も何ら変化はないものと考えられる。
それゆえに為替相場、とくにドルの価値にとってもFOMCは材料を与えないであろう。むしろそれよりも先週にさかんになった米政権で解任が相次いだことや、関税問題で対中、対EUでの結果がどのようなものになるのかのほうが重要であろう。
どう見てもトランプ大統領は自分のカードに使っているだけで、本格的に関係をブチ壊そうとしているようには見えない。だから口先だけと考えて、マーケットも大きくリスク回避での反応しないのだろう。ドル円などももっともっと落ちてもいいはずなのに、イマイチ下げが足りないし、勢いもない。
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