昨日はアジア時間ではあまりドル円は動かずで、105円台の中盤だった。これは日本株が配当の権利落ちの後、急激に値上がりしたのとは対照的だった。つまりマーケット全体がリスクテークになっていない。言い換えれば日本株だけが実体にそぐわない動きをしているということだ。
事実、グローベックスでの米国株は不安定な動きをしながらも、前日の終値を中心にした動きのままだし、一方では同時間に開いている中国株は、かえって大幅安をしているのである。
配当の権利はもうないのだから、すんなりと残りの株券も売ってしまえばいいのに、ときどきわからない動きをするのが日本株である。当てにできない日本株といえども、アジア時間ではいうまでもなくドル円は下がることはなかった。
欧州時間に入るとクロス円がリードする形でドル円も上がってきた。106円台に乗せるにはちょっと手間取った感じだったが、いったん乗せてくると106.35あたりまで緩みなく上がっていった。短期的なショート勢の買い戻しが出るところだったのだろう。またアメリカの経済指標であるGDPの確定値が控えているというのもあったろう。
GDPは2回目の改訂版なのであまり注目は集めないはずだったが、それでも今年の利上げペースを見極めたいとしての間接的な関心がある。それで指標の発表前からドル円買い上げられたのだろう。しかし発表後はドル円はそれほども上がっていかない。
むしろユーロドルやポンドドルなど、対欧州通貨のほうでドル高が進んでいた。すでにドル円ではロングポジションが積み重なってもいたのだろう。ドル円が本格的に上がりだすのは、そうしたドルの利食い売りが一巡してからとなった。
ドル円はニューヨーク時間の午後には107円台までタッチした。ドル相場は全面高となって、そのままドルの高値圏でニューヨーククローズを迎えている。
今晩は重要な経済指標がない。しかるに株価などリスク重視の相場展開となるだろう。昨日はトランプ大統領がアマゾンは何か独禁法に抵触していないかと周辺に聞いているといううわさが出たが、これは米国株のムードを悪くした一面もある。
そもそもトランプ氏はアマゾンのCEOが嫌いで有名だ。しかしトランプ氏の発言は、報道官が否定している。しかしフェイスブックも議会に召喚されるのはほぼ確実となってきており、またテスラも事故の検証を迫られている。今のアメリカをけん引しているはずのハイテクセクターには、逆風が吹いてきているのを無視することはできない。
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