昨日も東京時間ではドル円はやや沈んで110円台に突入したりしていたが、欧州序盤にはしっかりと値を戻してきて111円台を回復。またユーロやポンドといった欧州通貨が急反発した。大きな戻しではないものの、下しか見ていなかったユーロドルなどは、ちょっと驚きの動きだった。
前回にアメリカが利上げした際に、イギリスも追随利上げするものと思われていたのに見送った。それに関してBOEのカーニー総裁が利上げには積極的みたいなことをコメントしたからであろう。ユーロドルもポンドドルも急激に跳ね上がったものの、ここ数週間の下げトレンドを覆すには至らなかった。
マーケットは材料薄。夜中に米韓首脳会談が予定されているが、そこから何かフレッシュなものが出てくるとは思われない。ユーロドルは再び1.17台に下がってきて、ドルが全面高のままであった。マーケット全体がリスク回避に傾いたのは、トランプ大統領が米朝会談が開かれないかもしれないと語ったせいである。
また中国との貿易問題において、ZTEに13億ドルの罰金を科すことも表明した。そして原油高にともなって来月にもサウジが増産に踏み切るのではないかとの観測が強まって、原油価格が軟化したことでもある。米国株はそれまでのゲインを吐き出して、ニューヨーククローズに至るまで下げ続けることとなった。
今日から北朝鮮では核実験場の廃棄が公開される。欧米のメディアも現地入りして、ちょっと盛り上がっている。機材を持ち込んでもよいか、取り上げられたなどと紛糾もあるようだが、おおむね既定路線の通りのことが行われるだけだろう。そして米朝会談の行方にも大きな影響は与えないものと思われる。
ただ昨日、今日のことでもあり、米朝会談が行われるかどうかのコメントには注意を払わないといけないところ。昨日のようにリスク回避の動きが起こらないとも限らない。なにせマーケットでは6月12日にシンガポールで儀式的なものであっても、会談を行うことのほうに意義を見出しているようであるから。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)