米朝会談が行われるのか、それともやらないのか。それで多少なりともマーケットは揺り動かされた。やるのだったら地政学的リスクが減退するとしてリスクテークに、やらないのだったらリスクの高まりと称してリスク回避に、という具合にだ。しかしだんだんと市場の反応も小さくなっていき、米朝会談そのものが政治的ショーだとしての認識が広がってきたのを感じる。
実際に米朝会談が行われても、決定的な決断は何も下せないだろう。たかだか数週間での核放棄の決定などできるはずがないのである。放棄しますよ、という意思を表明するのがせいぜいである。
それが分かっているから、あまり期待しないでよという言い訳の意味合いも含まれているのだろう。誰も期待していないところに、集団発狂と同じ状況が現出している。猿芝居だとわかっていても、その中心にいるトランプ大統領の発言に振りまわれているのである。
金曜日に「やっぱりやるかも」と言って収まったかに見えた米朝会談の行方だったが、週末にもゴタゴタがあった。ニューオークタイムズ紙が現状のままで米朝会談の開催は不可能だろうと評したのだ。
それに対して即座にツイッターでトランプ大統領が反抗。トランプ大統領自身も強気なことを言ってはいるが、米朝会談をやりたくて仕方がないのがよくわかる。晴れ舞台なのだから、それを見逃す手はない。
週末のゴタゴタの後、今日の早朝のマーケットでは大きくリスクテークが進んでスタートした。ドル円、ユーロ円はともに20~30ポイントほども上がって始まり、グローベックスでの米国株も持ち上がっている。しかし今日は英米が休みである。よって夕方以降はマーケットが動かなくなるだろう。
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