昨日はトルコの情勢に注目が集まった。世界的にリスクオフの流れが波及するのか、それともローカルな混乱で終わってしまうのか。もちろん為替相場の動きで食べている我々としては、国際問題に波及してくれた方がいいに決まっている。1990年代後半のアジア通貨危機の再来のように。
アジア時間でトルコリラは歴史的最安値を更新した。またそれを受けてアジア株は全面安。日本株も大幅安となった。ユーロ円はリスク回避のため、125.15あたりまで安値を更新している。そして欧州序盤ではトルコの10年債の利回りが22%台まで吹き上がった。
金融政策としては短期金利をもっと素早く上げてしまわないといけないところだ。それがエルドアン大統領の権限が強化されたことがアダとなっているようで、政治的な意向としてはどうしても利上げしたくないところ。
それで利利上げのタイミングをことごとく逸して閉まっている結果となっている。ユーロドルも1.1365の安値をつけて、ユーロ円もアジア時間の安値に並ぶところまで下落した。
そして重い腰を上げたかに見えるトルコ中銀は、準備預金の必要額を引き下げることで対処した。リザーブの引き下げはイージングである。いま求められているのは、利上げを含むタイトニングである。まったく処方箋が間違っている。これが続いている限りは市場のリスクは消えない。それでは焼け石に水である。
ニューヨーク序盤になって拘束されている米人牧師が解放されるのではないかとの観測が出てきた。マーケットはそれには過敏に反応した。グローベックスでは米国株は戻り歩調となって、ドル円やユーロ円も急に値を戻してきた。
リスクの巻き返しである。私のユーロ円ショートはスモールだと言いながらも、1円幅までのリトレースまでとしている。だからこのユーロ円126.20がついたとことでポジションカットとなった。
夏休みの長めのポジショニングは終了を迎えたのだが、それでも次の参戦を考えると、やはり現在のクロス円ベアの状況に変わりはない。だからスタンスとしてはユーロ円もポンド円も戻り売りが基本なのだろう。ユーロ円はBREXITの時に109.35の安値をつけた。これはドル円が99.00の安値をつけたのと符合する。
その後の最大の戻りが今年の2月であって137.50だ。その半値押しである123.43あたりが当面の下値サポートにもなりうるし、また下げの目標ともなる。そこまで到達したら、またショートに振って参戦したいものである。一方で61.8%戻しは126.75なので、今回のユーロ円の戻しがあっても、これを上抜けしない限りはダウントレンドは変わらないとみるべきであろう。
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