昨日は東京市場ではトランプ大統領の弁護士問題で振らされた。いうまでもなくリスク回避の材料である。それで午前中に日本株は大きく落ち込んだのだが、今週の安値である22030円までには到達しなかった。
材料としてはリスク回避で十分なのであるが、それでも海外要因なので夜まで市場の反応を見てみたいという意気込みの方が強かった。そのうちだんだんと慣れてきて、日本株は反発に向かった。
ドル円も110円の大台を再び割り込んでくるのかと思いきや、日本株と同様、すんでのところで踏みとどまった。そして欧州序盤では完全に戻しきっており、110.40まで上ってきた。
欧州時間ではトルコ自体も大型連休中だがトルコリラが安定していたこともあって、ますますリスク許容度が回復してきた。グローベックスセッションでの米国株もすでに当日の下げ分をすべて取り戻している。
ニューヨーク時間に入ってもリスクテークが基本的な流れとなって、ドル円やユーロ円の腰が強い。トランプ大統領の個人的な問題は無視されることとなった。マーケットはそれが政治的なダメージをあたえるものではないと判断したのだ。
FOMCの議事録が夜中に出たが、あまりインパクトを与えなかった。ちょっと新興国のことについても触れていたが、直近のトルコ通貨の価値が落ち着いているとあっては反応できないところだ。むしろ9月利上げが確定的になったということで、完全に織り込まれているとはいえ、ドル買いしてみようかという材料にはなる。
ドル円はほとんど高値引けといってもよい状態で終わった。米中交渉は低レベル級の会談だということもあり、そこから目に見える成果が出てくるとは期待されていない。だから市場の注目も引いていないが、協議は今夜も継続するようだ。
米国株が最高値に近づいているので、テクニカル的にレジスタンスに出会っている。これ以上上がるにしても、ここで上げ止まるにしても肝の位置である。だからここでドル買いをするのは得策ではないといえよう。ドルロングするならば、米国株も完全に史上最高値をつけてからでも遅くはないというのがテクニカル面からの要請でもある。
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