昨日はドル円がほとんど動かなかった。1日を通じても20ポイントあまりしか動いていない。日々に動く量が減ってきている感じもする。市場の材料としては貿易戦争や米朝核協議、BREXIT、新興国不安など、大きな諸問題が並立しているのに、どれ一つをとってもダイナミックにマーケットを動かすのに足りない状態なのである。
それだけ言葉が踊っているほど、市場が深刻に受け止めていない証拠だとも取れる。こららの問題の発信源の多くはトランプ大統領に帰することができるだけに、どこまで真剣に受け止めておいた方がよいのか、マーケットも探りかねているということなのだろう。
それでも過去のパターンとしては、動かなくなってくるのは近い将来の大動きの前触れだともされている。何が起これば相場は動き出すのか。やはりアメリカの中間選挙なのか。しかし事前に明白になっているとおり、今回の中間選挙で上院は、民主党の改選議席のほうが多い。
だからよほどのことがない限り、上下両院で共和党多数の状態がひっくり返るということは起こりえない。しかるにトランプ大統領の政権内部での求心力が、目に見えて低下することもないとされている。だから市場の混乱要因にはなりにくいはずなのだが。
今週になってドル金利が短期も長期も上昇傾向が明白になってきた。昨夜は10年ものの利回りが3.09%台まで上がってきている。為替相場と同じく、金利相場も値動きは乏しい。だから余計にフレッシュゾーンでの展開が目立ってしまうのだ。
テクニカルなパートだけを問題にすると、3%台が定着してしまうと次の引っかかりそうなポイントは3.766%となる。これは2011年の2月につけた米国債の押し目である。東北震災よりも前のことである。
もうずいぶんと前のことだ。逆に言うと震災があったから、日本を筆頭に世界的な大緩和時代が始まったといってもよい。その水準まで長期金利が戻しきれるのかどうか。短期金利と違って、長期金利は結構、あれよあれよという間に動いてしまうものなのである。
今晩の関心も、米金利の行方に集まっているのはいうまでもない。昨日はあまり動かなかったドル相場だったが、ドル金利の一段高でドル上昇に弾みがつくかもしれない。それは米国株が史上最高値を抜いていくときとタイミングは符合するのかもしれない。
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