昨日も為替相場の動きは狭いものだった。ユーロドルもドル円も大台は変えていない。ずっと同じところでやっているのだ。今週はこれまでにないような大きなイベントが控えているというのに、様子見してからという理由だけで積極的にトレードは行われていないようだ。
企業決算もいよいよIT関連の大どころが出番を迎える。第一弾としてアップルの決算発表がニューヨーク引け後に控えている。そしてコンセンサス通りでサプライズはないだろうと考えられてはいるものの、イギリスの下院でのBREXIT修正案の採決も行われる。
そして30日からはまた米中協議も始まるのである。昨年、マーケットを揺さぶった原因のオンパレードでもある。そのうえFOMCもあれば、アメリカの第4四半期のGDP速報値の発表も控えている。
ニューヨーククローズ間際になって、イギリスの議会の採決の行方もおおむね明らかになってきた。合意なしの離脱は避けるべきだとした決議案は可決したが、離脱延期も考慮すべしという法案は否決された。これでは政権はこれまでと違って何を交渉すべきなのかわからない。
むしろ合意なき離脱が現実味を帯びてきたということでもある。そもそも今回の法案は強制力をともなっていないので、意向表明のようなものだ。それでも近い将来の不透明感を拭うには物足りなかったようだ。このステージでポンドは100ポイントほども急落を演じている。
結局、米国株のほうは最近の中でも小幅なレンジ内の動きにとどまった。またアップルの決算結果は減収減益だった。しかしこれは想定の範囲内のことであって、EPSはアナリスト予想を上回った。
今晩はADPの雇用指数が出るが、経済指標としてはGDPの方が重要度が高い。事前のアナリスト予想では+2.5%アラウンドがコンセンサスとなっているが、これが米中関係に起因する貿易によるポーションが大きければ問題視されるだろうが、個人消費や設備投資が原因であれば昨年秋からの株価の不調のせいにされるだけだろう。
夜中にはFOMCがあるが、これはパウエル議長の会見に注目。果たしてバランスシートの操作も含めて金融政策の変更を示唆するのか。資産買い入れについて踏み込んだ説明がされるようであれば、それはドルのイージングを示すことになり、純然たるドルのバリューダウンを招くだろう。
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