先週は金曜日に雇用統計があったからということで、その前はかなり様子見姿勢になると予期された。しかし雇用統計をスルーしても、ほとんどマーケットは動きに乏しかった。為替の王様であるユーロドルなどは、1日に20ポイントしか動かない日が続いた。日本人の関心のあるドル円に至ってはなおさらだ。
雇用統計の結果はマチマチ。就業者数は19万人台の増加となって、ヘッドラインでは良さそうに感じられた。しかし失業率の方は予想と同じで3.8%。そして平均時給はプラス0.1%と、肝心のこちらのほうは予想を下回ったのである。
雇用統計でも市場の反応は限定的。確かにドル高方向に進んだと言えるが、ドル円もユーロドルも値幅があまりにも小さい。動かない相場になれてしまってきているので、誰も30ポイント以上も動いた後を追いかけていかないのだ。私もとうとう、先週は何の取引もしていない。
それでも株価にとっては好材料が並んだ。中国の景況感の改善が確認できたことや、トランプ大統領が金融緩和についてFRBに強行は姿勢で臨んでいることなど。米国株は先週だけでもかなりの上昇を喫し、週足で見ても高値引け。大陽線なのである。
今年に入ってリスクテークが続いている中、依然としてリスクフルの状態のままだということだ。したがってドル円やユーロ円ももうちょっと上げ余地が出てきてもよさそうなものだ。ドル金利が上がるような要人発言でもあったら、それを景気にドル上昇の勢いもついてくるのではないだろうか。
今週はBREXITの延期期限が到来する。もちろんすでに離脱の再延期が見込まれているが、その前にEU側との不協和音も表面化しつつある。これはマーケットのマイナス要因である。また米企業の四半期決算のシーズンも到来する。
アジア企業がスランプ気味なのに対して、米企業がどこまで踏ん張っていられるのか、見物である。現状はリスクフルの状態なので、いつリスク調整が起こってもおかしくはない状況なのである。
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