昨日は欧州勢がまだイースターマンデーでお休みなので、世界的にマーケットは動意薄だった。その中で材料が出てきたのは、中国の経済政策の転換である。昨年の後半に金融を含めて財政も緩和的かつ景気刺激的な方向に梶を切ったのだが、それをまた安定的にバイアスを戻したのだ。
これで中国の底打ち感からのリスクテークは一服して、中国株は大きく下がった。別に引き締め気味に変換したわけではないのだが、それまでの中国株の大幅上昇分は期待だけが先行していただけだったので、その調整分が出たのだろう。この先はどこまで調整が進むのかは、さらなるウオッチが必要である。
また米政府がイラン原油の輸入を、全面的に来月2日からの停止を要求した。日本や中国などに許されていた制限付きの輸入特別枠も認めないというものだ。これで足下の原油の需給が締まるという思惑が先行し、原油相場が持ち上がって今年の最高値圏へ。それに伴ってマーケットのリスク許容度も増大し、米国株も小幅ながらも堅調な地合いとなった。
言うまでもなく為替相場も小動きだった。ドル円は最近、見慣れたようなレンジの内にとどまった。ユーロドルはやや上昇したものの、値幅が25ポイントしかない。やはり欧州勢も戻ってきて市場が活発化するのを待たないといけないようだ。
今晩はニューヨークオープン前にツイッターやユナイテッド・テクノロジーズの決算が出る。マクロ指標では住宅価格指数や新築住宅販売など、住宅関連のデータが重なる。個別に反応がどうかというよりも、歴史的な最高値に接近している米国株の値保ちのほうが市場の関心が高いようだ。
テクニカル的にはこの水準から多くの売りものが出てくる。それを消化できるほどの買い意欲がわいてくるかどうか。毎年のことだが4月の下旬まではリスクテークが続く。だから株高とか原油高になって、パターン分析的には不思議はない。
日本のゴールデンウイーク中には何がしら臭い話しが出てくることが多く、4月末が相場の流れのターニングポイントになっている場合が多い。そういう感じで見ているプレーヤーも多いので、ドル円やユーロ円の上値追いには及び腰になるのもやむをえない。
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