昨日は月曜日の株価の大幅安の反動が出た。再び根拠の薄い楽観論が台頭してきたのだ。いつものパターンであるが、どうせ米中協議も大幅な変更もできずに丸く収まるだろうというもの。
今回の3000億ドル分の追加関税にしても6月1日から適用するための作業をしているというが、対象は中国を物品が船出するのが6月からだと言うことであって、実際に関税がかかるアメリカ本土に到着するのは2、3ヶ月後だから、その間に問題は解決してしまい、関税はなしになるのではないかという期待である。
またトランプ大統領がツイッターで「追加関税はまだ決まったことではない」とつぶやいたことにも過敏に反応した形だ。これでわかるのは頭では米中協議は世界経済にとって悪材料だと理解はしていても、できるだけそれを見たくないという姿勢だ。
良い方向の話しにだけポジションを傾けようというもの。これを投資意欲と言えばそれまでだが、なんとも不健全なスタンである。20年以上も続いている米国株のブル相場なのだから、ファンダメンタルズを軽視してしまうのも無理からぬことではある。
ドル円も同様の動きであった。朝がたこそ日本株も大幅安で始まったので、リスク回避の流れが蔓延。ドル円は108円台に突っ込むものかと思われた。しかし前日にも109円割れに失敗しているだけあって、逃げのビッドもたくさん出ており、妙にサポーティブな展開が続いた。私も108円台に突入したら、そこから突っ込んで売っていこうと考えていた。
しかし次第に株価の復調とともに、ドル円も腰の強い状況となってきた。109.50を越えてくると、もう下がらない。トランプ大統領の発言以降は、ずっとリスクテークが続いた。しかしニューヨーク時間を通じても、ドル円の上値サイドは限定的。110円ちょうどに近づくにつれて、オファーもしっかりと入っているのが見えた。
今晩は大きな経済指標として、アメリカの小売売上高がある。しかし先週からの株価の変動性の高まりのもとでは、あまり相場に影響を与える材料にはならなそうだ。あくまでも米国株の上げ下げを注視が第一。それまではドル円は109円台の中での上下動に徹するしかなさそうだ。その中でのレンジワークに励む。
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