毎日、リスク動向のあり方に振らされている。そしてそれが当日はどちらに振れるのか、まったくわからないときている。楽観的な見方が出てくれば、それにすぐに食い尽くし、反対に米中協議の停滞を示唆するものだったら戻り場も作らずに一方的にリスク回避の姿勢が強まる。何が出てくるかわからない。
だから米国株の動きを見ての相場の入り口模索となる。こうなってくると経済指標などはあまり役に立たない。市場心理の好転か悪化かを基準にして考えないと大生ヤラレをする。しかも予断を持たずに構えておかないといけない。昨日はリスクオンだったからと行って、今日も続くと思ったら間違いだ。
昨日もリスクオフで株価は下げた。毎日、コロコロと変わるリスク動向だが、昨日は久しぶりに同じ方向が続いた。5月1日に史上最高値をつけているので、このままだとセル・イン・メイで終わってしまいそうである。下げてきたところでは、次に気になるのはどこまで下げるのか、である。下げの余地はどこまでかを考慮しておく必要がある。
米国株の代表選手であるS&P先物でみると、直近のもっとも下げたレベルというのは、昨年のクリスマス前後につけた安値である2316ポイントである。そこからの上げが5月初旬の2961ポイントである。
つまり30%近い上昇を、この1月から4月までに演じたことになる。その半値は2638ポイントである。昨日の終値は2780ポイントなので、半値押しですら、まだかなりの間がある。ぜんぜん下げ余地はあるくらいに、依然として株価は高いのだ。
中国のレアアースの輸出問題があったのも事実だが、昨日はアジア時間につけたドル円の安値を、海外時間ではきれいに下抜けすることができなかった。同時に動く米国株などはどんどん下がっていくのに、ドル円はあまり下がらなかった。
私も夕方からは何度かドル円ショートで仕掛けたが、あんまりおいしくワークしなかった。むしろニューヨーク時間ではドル相場の全面高となっている。株安のためドル金利の低下なども著しかったのに、ドル高である。
今晩も同じく株価の動向次第。ちょっと下値不安が出てきている分だけ、いちおうの注意を払っておかねばならない。しかしドル円の109円台の前半には依然として大量のビッドが残っているようで、下がってきたからといって中途半端に売り込むのは得策ではなさそうだ。ショートメークは108円台に突入してからのほうが安全策だといえる。
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