トランプ大統領はFRBの金融政策にいろいろと要求を突きつけてきたが、いよいよ為替レートについても矛先を向けだしてきた。明確にドル高が米製造業の競争力をそいでいるとして、通貨安競争を牽制した。中国を為替操作国に認定したのも、その一環であろう。金利の次は為替だということである。
確かにドルは高い。独歩高である。為替の王様であるユーロドルはまったく上がらないし、ここ2、3年は下げっぱなしで安値張り付きである。ポンドはBREXITという固有の問題があるにしても、ポンドドルは市場最安値を目指している。
トルコや韓国、南米通貨はみなドル高である。そして中国元が対ドルで7.0を越えてきたことが、ドル高の象徴ともなっている。こうした環境ではトランプ大統領のプレッシャーはもうしばらくは続くものと見なければなるまい。場合によってはG20など国際的な場での課題に付されることになるかもしれない。
ドル円はドル高でなさそうに見えるが、これだけ外部環境の悪化もあってリスク回避の姿勢が強まっているのに、ドル円が3、4円しか下がっていないというのは実質的にはドルの腰が相当に強いものだと考えなければいけないところだ。95円とか割り込んでいてもよさそうなものなのに、いまだに105円台とかに居続けるのはドル高のせいでもある。
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