昨日は夕方に中国側から米中協議の継続を伝える報道が出てきて、それが市場のリスク許容度を持ち上げた。東京時間まではリスクオフ傾向で動いていたマーケットだったが、グローベックスの米国株も急伸に転じた。そしてドル金利の低下もおさまった。それとともにドルは買い戻され、ドル円は106円台まで値を戻してきた。
アメリカのGDPは若干の下方修正を強いられたが、それでも予想通りだということで大きな反応はなし。ラガルド専務理事がユーロの下げ余地はまだあるという内容の発言をしたことで、ユーロ売りがかさんだ。ラガルド氏は次期ECB総裁と目されているので、その発言内容は重みが大きい。
しかしユーロドルは先日につけたところの今年の安値である1.1027を狙っているとはいいながらも、日足のチャートなどを見ると、いかにも強力にサポートされているように見える。こういう形をしていたのでは私ですらもユーロ売りをここから励むのはためらわれる。
できれば完全に1.10台ちょうどを割り込んでからしか売りたくはない。スピードも遅いし、反発する確率のほうが高そうだからだ。いずれした抜けすると認識していても、1.10台でのショートは慎みたいところだ。
しかし1.10台を割り込んでしまうと、結構の深押しが期待できるのではないだろうか。2年ぶりの安値圏に突入したら、そう簡単には元には戻ってこないだろうし、前回の安値である1.03台まで時間をかけて下がっていく可能性をはらんでいる。
そのきっかけが9月中旬のECB会合なのか、10月下旬のBREXITなのかはわからない。タイミングはわからないので、今しばらくはショートカバーも交えて、ユーロドルの下値サイドに注意を払っておきたいところだ。
ニューヨーク時間のコアタイムでは米国株は一段高したものの、それまでの上昇分のほうが大きかった。ユーロドルは1.1045あたりまで差し込んだが、安値更新にはならず。依然としてユーロドルは緩慢な動きに徹している。近くて遠い新安値だが、ここで取れる作戦は押し目買いと、1.1027割れでの投げ売りと1.10ちょうど割れでのド転ショートであろう。
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