ダウ平均の数字が日経平均を初めて追い越したのは、今世紀に入ってからであった。その後、何度か逆転しているが、通常はダウ平均の方が高い。
どういうときにダウ平均が日経平均を下回るかというと、やはり株安のときである。逆にいうと株高局面では、ダウ平均のほうが先行して上がるということだ。世界的に株価の上昇基調はどうかを見るには、米国株にしくはないということだ。
今週になって日本株が急上昇した。月曜日の早朝につけた安値である15060円から昨日の戻した金である19455円まで、4500円近くも上がっているのだ。この間、ダウ平均に急速に接近した。
そしてついに400ポイントくらいまでの差まで詰め寄った。日経平均が下からダウ平均を追い抜くというのは前例のないパターンだが、これもやはり近い将来の株安を招く事象の一つなのだろう。
今週に入って日本株が高いので、ドル円もめっきり下がらなくなった。昨日は欧州時間に入ってからというもの、ドル円は110円台には突入しなかった。米国株も巻き返しているので、市場のリスク許容度は確かに増大してきている。
あれだけ換金売りによるドル買いで振らされたポンドドルも、1.19台まで値を戻してきている。アメリカが国境閉鎖に本格的に動き出し、家経済対策の第3弾も合意を得られたということで、ゲインの先取りをしているようにも見える。
先日のPMIなどのような景況指数でもわかるように、最近はもう経済指標ではマーケットは反応しなくなった。確かに古いデータに対してサプライズも何もあったものではない。足下の感染者数の増加とか、非常事態宣言が出るかどうかのほうが重大だ。
昨日は東京都も週末の外出を控えるように要請を出したが、今日になっての日本株の下げやドル円の軟化は、少なからずそれを反映しているのかもしれない。
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