コロナウイルスの感染がどこまで拡大するのか見えない間は、不安過ぎて市場からマスクやティッシュペーパーがなくなってしまい、ちょっとでも手持ち現金を増やしておこうという行動につながった。持っている金融資産はことごとく現金化してしまえということである。金価格の急落がそれを見事に表している。
また同じ現金であればドルがよいだろうという行動にも出てきた。為替市場では過度なドル買いが起こり、ドル円は10円近くの急上昇となった。FEDによる連続利下げがあったが、それはドルの保有価値を減退させる。
ドル安に進むべきところを、必至なドル手当てのための需給に押し戻されたといった感じだ。ドル金利が下がれば上昇する傾向のコモディティ価格が急落したのも、同じ要因である。
しかし先週は世界的にも株価の下げが一服し、ややショートカバーにも勢いがついてきたので、市場の不安心理が薄らいだ。それを確認するためには、ドル安が起こるのかどうか、コモディティが再び値上がりするのかどうかを見極める必要があるのである。
そこで先週の金曜日は109円台までドル円は値下がりしてアジア時間となった。これまでならばレンジの下限である。要注目は下サイドが割れるかどうかである。具体的には108円台を目にすることができるかどうかである。
私はスモールでショートポジションを保持していたが、ポジションが小さすぎて、あまり細々と動くつもりはない。できれば一段安してきたら、そこでもう一発、売り込むつもりで見ていた。ユーロドルもポンドドルも高く推移しており、ドルが全面安のままで進行していることに変わりはなかった。
東京時間の午前中に108円台の前半まで緩んだが、これは日本株が売りに押されたからだ。日本株の側面から考えると、この日は配当取りの最終日であったので、どうせまた配当狙いの買いが出てくるだろうと見ていた。
したがって私は、東京時間ではドル円の売り増しはしないと決め込んでいた。すると確かにその後は日本株は上昇に転じ、ドル円も109円ちかくまで戻してきたのだ。
本格的にドル売り相場が訪れたのはニューヨーク時間になってからであった。私も再度の108.50割れでドル円を売ってみた。それだけ米国株の下げが激しかったからだ。しかしその後はドル円音下げが鈍くなった。108.50で買い戻しの損切り注文を出しておいたので私は早々に寝てしまったが、107円台にも突入している割には場に緊張感やパニック感はまったくない。
さて本日は107円台でスタート。こうなるともう一段安を期待して売り増ししたいところだ。
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