先週の金曜日もアメリカの経済指標はすこぶる悪いものが並んだ。小売売上高、鉱工業生産、ミシガン大学など、どれも見たこともない数字ばかりだった。それでも想定の範囲内というか、もっと悪くても驚かないというか。
つまりはどう反応してよいのかわからないのでマーケットの動きは鈍いものとなってしまっている。市場の関心はすでにコロナ後の活動再開に向かっており、それで悪いデータには反応しづらいのだ。
しかし将来の良くなるという楽観的な見方もある一方で、これから出てくる経済データではさらなるデフレ傾向を強めるものも多いという観測もある。4月がデータの最悪期ではないだろうというもの。またコロナ感染のセカンドウエーブも除外することはできないというものだ。
ポンドドルの安さが目立ったが、これとても「BREXIT協議に進展なし」とした政府高官の話しからであり、特に驚くには当たらない。週末にマイナス金利に向けての観測記事が出ていたが、こちらのほうが今週の動向を左右する可能性が高いので要注意である。
本日に発表された日本のGDPがマイナス0.9%であっただけでなく、年換算ではマイナス3.4%であって、どちらも事前の予想を上回ることとなった。しかしこれで2四半期連続の大幅悪化となった。リセッション入りしたわけだが、次の四半期でGDPの伸びがプラス転することも期待しがたい。
実際に日本では6月で消費税の実質増税も控えている。昨年10月にはいろいろな手を使ってポイント還元やキャッシュレスキャンペーンを繰り広げたが、これは間もなく満期を迎える。コロナ問題で多額の資金をばらまいた後では、キャンペーンの延長は難しいであろう。
今晩はイベントが少ない。為替相場はここ数日間のコアレンジをはみ出るものではないだろう。ドル円も下がっても106円台のミドルまで、上がっても107円台ミドルまでというレンジ内での狭い動きに徹すると想定してのトレードに励むことにしたい。
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