昨日はニューヨークオープン前にワクチン開発の話題が出て、それが1日のマーケットを支配した。米モデルナ社が治験に成功したという報道であった。グローベックスでは米国株が大きく上昇。
市場全体がリスクテークに傾いた。ドル円は107円台の前半で膠着したままだったが、クロス円が全般的に持ち上がった。ユーロ円は117円台にまで到達した。
こうしたワクチンや治療薬の開発騒ぎは、いましばらく出ては消えるの繰り返しが続くものと思われる。なぜならば時間の問題だからだ。それが明日来るのか、1年後に来るのかはわからない。しかしいずれ解決される問題だと考えられているので、どうしても市場は先食いしてしまうのである。
ただ米国株の代表であるS&P指数は、4月末につけた戻し高値に一歩届かなかった。そこがちょうどテクニカルポイントのようにレジスタンスとして立ち塞がった格好だ。ニューヨーククローズ間際には、それを意識した利食い売りの局面も見られた。
世界的にも警戒態勢が緩和されてきており、経済の正常化にともない、どこまで株価が元のレベルに戻るのかが関心の的になってきている。FRBなどが心配しているような危機の長期化にはあまり目が行っていないようだ。ここが現在のマーケットの博展なのだが、いまのところパニックに陥るようなことにはなっていない。
さて今晩は住宅着工件数の指標が発表されるが、これもあらかじめ良くない数字が見込まれており、それほどもマーケットに参考になるとは思えない。ドル円もユーロドルも上下30ポイントの内におさまるような感じである。
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