ECBの金利会合では大きなサプライズはなかった。これまでのマイナス金利水準に変更はなしで、量的緩和の指針であるPEPPもそのまま継続するということだった。ここ2ヶ月のうちで進んだユーロ高に対する押さえの策がないと見て、為替相場ではユーロ高が進んだ。
ユーロドルは1.19台まで値を戻し、それに伴い欧州株も続伸。米国株も堅調にスタートした。しかしニューヨーク時間の午後からは市場の流れは反転。米上院で景気対策案がもめていることで米国株が大幅下落に向かったため、クロス円にも下げ圧力が増してきた。そしてユーロドルも元のレベルにまで押し込まれたのである。
このユーロドルの下げは私の寝入ってしまった夜中に起こったことだが、これは意外であった。ラガルド総裁の話したことは学者的な内容のものばかりで、あまり目新しいことはなかった。
それなのにユーロに買い安心が出てこないのはおかしいと思ったからだ。ものの見事に発射ポイントまで押し戻されたことで、次にユーロがどちらに向かうのか不確かになってきたようである。
ユーロドルの下げに加えて、ポンドドルの下げもきついものとなった。ポンドにはBREXIT関連でさらに紛糾の度合いを増しているという固有の問題を抱えているが、それでも300ポイント級の下げというのは破壊力が大きい。それまでの溜りにたまっていた欧州通貨ロングのポジションが一気に吐き出されたものと見られる。
今晩はアメリカのCPIくらいしか材料がない。本来ならばFRBがインフレターゲットを重視していることもあって物価指数は重要なはずなのだが、コロナ中ということもあって大きな数字が出たところでマーケットは反応しないだろうとの思惑が働く。
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