前日に105円台まで戻していたドル円であったが、昨日はまったく上がるムードに欠けていた。クロス円が重い足取りだったのだ。どくにユーロ円の上値攻めにおいて124円ちょうどを取り戻せなかったのが大きかった。
売りそびれた人びとがこぞってオファーに参加。それがクロス円全般を重くしたようである。そもそもリスクオフ気味であったので、クロス円のロングに は調整圧力がかかっていた。
欧州時間でもクロス円の重さは払拭できず、ユーロ円は再び124円を目指すものの失敗。ニューヨーク時間では123円台の前半まで押し込まれ、今日の早朝には122円台に突っ込んでいる。
昨日は米企業決算がいくつか出てきたが、いずれも事前のアナリスト予想を上回る利益を捻出していた。しかしコロナ感染の再拡大もあって、業績見通しは出せないままだ。そこに市場の不安心理が増幅したのであろう。予想を上回っても、株価は素直に上がらなかった。それまでに期待の分が大きく先行して価格に織り込まれていたのもあるのだろう。
また夏場以降に続いてきたワクチン開発を先取りしたリスクテークも、ややおさまってきたようだ。ワクチン開発には時間がかかるものだとされてきたのだが、それが年内にも、大統領選前にもと、いいとこ取りだけが目立つ動きだった。
実際に治験に失敗したり、開発が遅れたりすると、現実が見えてくる。来年のオリンピックにすら間に合うかどうかもわからないのが実情である。昨日は大手製薬の決算発表も、それを裏付けることとなった。
米国株は前日の大幅安から反発する局面もあったものの、ラスト1時間でさらに下押し。ワクチン開発も追加景気対策の早期成立も、大統領選挙の投票日を間近にひかえて現実を見つめる時期が来たようだ。
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