連休明けのアメリカで、次期の財務長官と言われているイエレン前議長が経済対策の必要性を強調したことで、昨日はアジア時間から米国株が急伸した。先週のバイデン氏による経済対策の出尽くし感で利食い売りがかさんでいたところだ。次の材料が見つからないところでのイエレン氏のテキスト公表だったので、マーケットは好材料と受け取り、リスクテークに転じたのだ。
日本株は仕方なく、それにツラレた。日経先物は29300円台で始まったのだが、それが400円ほども値上がり。アメリカの材料にいち早く動く必要もないだろうと感じるけれども、明るい根拠が少ないので過剰に反応したようだ。
そうしたリスクテークにクロス円も敏感に反応した。125円台の前半まで押し込まれていたユーロ円も徐々に回復傾向をたどった。欧州序盤には125円台のミドルでも堅調となり、ニューヨーク時間では126円台にまで値を戻してきた。
本日は日銀会合の1日目であるが、日銀のアクションには国際的にも注目が集まっていない。それだけやれることが限られるということだ。いまさらインフレ目標をプラス2.0%で維持とか言っても、なにをいまさらという感じである。
前向きにマイナス金利の深掘りとかETF購入をやめるとかの新規な議論をする様子も見えない。日銀のボードメンバーだけでも多額の給与が支払われているはずである。何もしないのだったら、それをコロナ関連に回せばいいのにと思ってしまうほどだ。
海外市場ではやはりイエレン氏の意向をどこまで市場価格に織り込んでいくべきかの重要なステージとなるだろう。具体的には今週に入って反転しだした米国株の高値追いの具合がどうなるのかである。財政支出の増大とセットになっているのが増税である。イエレン氏はいまは増税どころではないと言っているが、それはあくまで当面のことだ。
利上げも2023年のまつまでやらないと言っているので、見ないといけない時間軸はバイデン大統領の任期の最終年である。そこまでに増税もせずに済ますわけにはいかないだろう。そもそもバイデン政権はトランプ氏が減税した法人税の引き上げには前のめりになっているし、キャピタルゲイン課税にも前向きだ。またオフショアでの課税逃れも許さないだろう。
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