先週末の雇用統計では、就業者数の増加数が5万人を下回り、ほぼ事前の予想通りとなった。これはADPの民間調査や最近の失業保険の申請動向から見ると、ちょっと期待外れだった。もう少しだけ良い結果が出ても良さそうなのに、というのが市場のファーストアクションに現われた。
グローベックスでは米国株が雇用統計に向かって買い進められていたが、いったんは上昇を停止。そして利食い売りの調整モードに入った。為替相場でもそれまでのドル買い一色の流れは沈んで、若干のドル売り態勢に入った。値幅はそれほども大きくはなかったが、ユーロドルが1.20台にまで戻してきたのが象徴的だった。
ニューヨーククローズに至るまでに米国株は切り返したものの、ドル相場は全面安のまま安値引けの形となった。ドルが安いと言っても、今年のレンジから見るとドル円もユーロドルもドル高水準の位置でステイしている。
ところでWHOの調査団が中国国内で視察をしている。しかし報道されているように、中国側の用意した路線に沿った視察になっているようだ。発生源と目されている武漢のウイルス研究所にも足を伸ばしたが、果たしてどこまで自由な究明ができるのかは世界中が不安の視線を注いでいる。
これは90年前のリットン調査団と同じような経過を歩んでいる。調査のための工程は日本側が用意しており、調査団はどこまで真相に迫れるのかは不確かだった。リットン卿は爆殺された軍閥の張作霖の近親者に会おうとしたが、命の危険にもさらされ断念した経緯もある。それでも調査報告書は日本にすり寄らず果然としたものだった。そのおかげで日本は国連を脱退。今回の調査団も断然とした態度で臨めるのかどうか。
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