雇用統計の結果は良かった。就業者数は91万人台の増加となって、市場の事前予想を大きく上回った。しかしこれは上振れしても想定の範囲内だったという見方もある。やはり肝心の失業率がコロナ前の水準まで落ちてこないと、金融当局の政策を変えさせるには至らないのだろう。
依然として失業率が6.0%だったというのでは、タイトニングに踏み切るだけの根拠を見いだせないといったところか。最低でも5.0%を割り込んでこないと、いますぐ政策変更というわけにもいかないのだろう。
そして金曜日のニューヨーク市場はお休みだった。時間外取引でのグローベックスセッションがやっていただけなので、雇用統計の後の反応を少しだけ伺うことはできる。しかし米国株の伸びは一時的なものだけで終わり、ラスト30分は利食い売りにさらされている。
雇用統計の直後にややドル高が進んだが、ニューヨーク時間のコアタイムでは為替相場もほとんど動かなかった。プレーヤーが存在しないのだから当たり前だ。週足で見てもドル相場は高いところで引けてしまっているので、週明け以降のドル買いの勢いが続くのかどうかが注目点となる。
月曜日もイースターが続くため、市場の動きは鈍いだろうことが予想される。そして今週は経済イベントがひじょうに少ないと来ている。相場はテクニカル的な要素に支配される比重が大きくなりそうだ。
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