昨日はUPS、グーグル、マイクロソフトなどの企業決算が出た。しかしその前後では米国株の値動きは実に小さいものにおさまっている。あれだけ経済回復を期待しての買いを集めた米国株だった。
しかしながら実際にEPSなどがアナリスト予想をさらに上回ったにしても、一段高を目指すわけでもなく、また大きな利食い売りにさらされるということもない。つまり期待だけで買っている時期のほうが反応が大きくて、現実の数字にはむしろ無視を決め込んでいるかのようである。
期待だけの現われはリスクに敏感なクロス円にもよく出ている。昨日はニューヨーク時間を通じてユーロ円はずっと買われ続けた。ついに131円台まで乗せてきて、そのまま高値引けしている。昨日はドル相場としてはマチマチな動きだったのだから、完全にクロス円主導の展開だったといえよう。
今晩はFOMCである。FRBの姿勢としては、テイパリングの議論すらしていないということを強調して終わるのだろう。しかし株高に限らず、足下の経済データの回復とどのように整合性を取っていくのかが問題となる。また物価見通しや成長見通しも引き上げるとなれば、緩和スタンスの変更にも言及せざるをえない。
去年の11月から始まったワクチンバブルをどのように対処していくのか、そろそろ課題になってもいい頃合いであるのも事実だ。6月のFOMCでは何らかの方針を示さないと行けないとしたら、ドラスティックな変化を好もしくないと考えている以上は、今回の会合でも何らかのヒントやメッセージを発しても不思議ではないのである。
またニューヨーク引け後にはアップルやフェイスブックといった大どころの企業決算も控えている。最近は落ち着いているが、米長期金利の動向にも注意を払っておきたいところ。
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