世界的に新種のコロナウイルスの感染が強まって、週明けのマーケットは大きくリスク回避に傾いた。日本株も大幅下落し、そのまま安値引け。ドル円も110円台をキープし続けることはできなかった。ただドル円には買い遅れ感を感じているプレーヤーからのビッドもかなり出てきているため、スンナリとは落ちていかない。先にクロス円のほうが下げるという形となった。
アメリカでも感染者数は1日で3万人を越えてきたので、リスク回避の姿勢が強まった。米国株もスタート時から大幅安だったが、今年最大の下げ幅を記録して終わった。ドル円、ユーロ円もやや値を戻してきたが、上値は重いままだ。
日本株の上値の重さは、ここ2,3ヶ月の動きの中で感じられる。具体的には戻し高値が徐々に切り下がってきているからだ。3万円の大台が重くなり、次は29000円台まで戻しても重くなってしまう。いまや28000円台に戻すのも大変な感じである。もしも28000円台まで戻すことがあっても、そこは多くの売りたい人のインタレストでいっぱいだろう。
それに対して下値は不思議と27000円台と固まっている。今年の安値は1月6日につけた26920円である。そこから3万円だいまでつけての最大の押し目がゴールデンウイーク明けの27130円。そして先週の27380円が3番底だった。そして昨日の安値が27055円。この辺りがした抜けしてくると、もっと相場の動きも加速してくるものと思われる。
ところで日経平均株価をTOPIX指数で割ったものをNT倍率という。このNT倍率はおおむね10倍を中心に推移してきた歴史がある。これはあくまでも売られすぎ、買われすぎの目安を与えるだけのものだが、10倍を割り込むと銀行株などTOPIX型の業種が買われすぎとされ、11倍とかになってくると日経平均を左右する値がさ株が買われすぎという解釈になる。
日銀が長らく日経型ETFを買い続けてきたことで、NT倍率が15倍を超えるところまで個別株にゆがみが出た。先般、日銀のETF購入はTOPIX型にシフトすると表明したので多少の是正は見られたが、未だに14倍レベルである。これは逆に考えると日経平均株価にはもっと下げる余地が5000円以上もあるということになる。
日本は連休を控えているので、ダウンサイドリスクにはより注意を払わないといけない。連休明けにはユーロ円は125円台にまで沈んでいるかもしれない。
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