前日に米国株が大幅安下後だっただけに、昨日のマーケットはリスク相場の行方が気にかかった。ユーロ円も128円台まで下がってきたので、いよいよリスク回避も本格化しそうな気配であった。
後は値動きを追って市場がどう受け止めているかを確認するしかないのだが、さすがに下げすぎ感もあってか、ニューヨーク時間では押し目買い意欲が復活してリスクテークの流れが強まった。米国株は前日の大きな下げ分をすべて取り戻し、ドル金利も低下に歯止めがかかった。ドル相場も強ぶくんで、ドル円は110円台に急接近している。
ところで西村大臣がお酒に関する要請を誤った形で伝えたことで、政府の目論見とは反対に世の中の居酒屋などは盛況を極めているように見える。これまでお酒を含んだ飲食を抑えていた人たちも、あきれかえって我慢しきれずに外出するようになったようだ。また店側もある意味では政府のお墨付きをもらったようなもので、お酒を出すところが増えたような感じがしないでもない。
一方でイギリスは大胆な規制緩和に踏み切った。マスクなし、ディスタンスなしの混雑状態のイベントが可能となっている。これも大きな社会実験なのだが、国民を二分している政策だともいえる。いくらワクチン接種が進んだといっても、ワクチンは万能ではない。依然としてマスクやディスタンス、行動規制が必要だと感じている側からは、眉をひそめさせる状況となっている。
しかし世界各地のコロナ感染の具合でマーケットが動いているのも事実だ。最近の株価の乱高下もそれに起因する。特に経済イベントで大きな材料がなくても、拡大傾向にある感染者数の増加には、依然として敏感にならざるをえないようだ。
そしていつの間にか、ドルの長期金利もとても低い水準まで落ち込んできている。テイパリングの早期実施の議論は、今のところ足下からは材料視されなくなってきている。よってこれがドルのサポート要因にはなりづらい状況となっており、ドルの高いところを無理して買っていく意欲には欠けるものがある。
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