週末は騒乱や事故のニュースで持ち切りだった。特にポーランドの政府専用機の事故は、70年前の「カチンの森事件」についてロシア側と和解する象徴としてのロシア訪問でもあっただけに、その同じカチンの森に墜落して全員が死亡するとは、とても皮肉な話しである。ちょうど数週間前に、私は父親をカチンの森で亡くしたアンジェイ・ワイダ監督の「灰とダイヤモンド」を見ていただけに、とても心が痛んだ。タイの騒乱で命を落とした方々も含め、心よりご冥福をお祈りする。
さてそんななか、ユーロ加盟国は緊急の会議を開いて、ギリシャからの要請があれば加盟国だけで最大300億ユーロの融資をおこなうという合意を発表した。とりあえずこれに反応して週明けとなる本日、ユーロは大幅高となった。ユーロドルでは一気に200ポイント上昇し1.36台後半、ユーロ円でも、金曜日の125円台ミドルからジャンプアップして127円台前半でスタートした。ギリシャが格下げされたことなど、すっかりどうでもよいことのようだ。
ショート勢の買い戻しも出るため、大暴騰するのは当然の反応ではある。しかしこういう展開になってしまうと、当面は戻り売りもみな躊躇してしまうだろう。今晩は予定されているイベントは少なく、様子見ムードが強い。東京時間の為替相場は止まっているかのようで、ユーロドル50ポイント程度の値動きしかなかった。
ただし客観的にみると、ギリシャの財政に対する不信はかなり根強く残っている。融資の条件などでまた問題も出てくるだろうし、今後も折に触れ、蒸し返されてくることになるだろう。朝の上げが本格的な上昇につながっていくかどうかはまだわからない。
また、週末に発表になった中国の3月の貿易統計は、2004年5月以来の赤字となった。原油や原材料の輸入部分によるものらしい。今や原油価格は80ドル台の半ばで推移するなど、コモディティ価格の高値張り付きは各国にとってはインフレの種にもなってきているのかもしれない。
先週の金曜日、私は何もできずに終わってしまった。
私はドル円かクロス円の戻り売りで見ていた。つまり、リスクテークの動きに注目していたわけだが、リスクテークによるドル円、クロス円高となっていくような動きは限定的だった。むしろ、ドルの全面安という相場付きとなったが、ここまでのドルロングの揺り戻しだったと見たほうがよい気がした。
しかし金曜日の米国株は終盤に向けて、またもや軒並み金融危機の後の戻り高値を更新。米国株は今週からスタートする米企業の第1四半期の決算への期待が強かったようだ。
いよいよ本日より米企業の決算シーズンとなる。しかし今晩は経済イベントも少なく、決算皮切りとなる企業の発表時間も米国市場が終わった後だ。材料不足で冴えない動きに終始しそうな感じもする。欧州市場も静かなスタートになっていた。下手に手を出すのは控えたいと思ってはいるのだが、ユーロドルはサイコロジカルな節目ともなる1.37台を突破できなかったので、欧米の株価が息切れしてくれば、ちょっとだけでもショートにしてみようかと思っている。
いずれにしても、高原状態の続く株価がこのまま一段高となり、リスクテークの動きがさらに強まっていくのかどうかの重要な地点に立っている。すでに期待の高い企業決算への結果とその反応は、ドル円、クロス円の方向を占ううえでとても意味をもってくる。注目される2週間がはじまることになる。
日本時間 19時00分
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