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西原宏一_メルマガ取材記事
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

金利低下が気になるきょうこの頃、
ネクストステージへの怖い前兆?

2010年06月28日(月)19:05公開 (2010年06月28日(月)19:05更新)
持田有紀子

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 ドル全面安の流れが続いている。今年3月くらいには大手金融機関をはじめ年末までのドル高を予想をしていた向きはかなり多かった。この背景にはFRB(米連銀)が出口戦略に着手して、年後半には利上げに動くのではないかという予想を立てていたことが大きい。

 一般的に金利が上昇していく局面では、その通貨が買われやすいということになっている。しかしユーロ問題が進行するにつれて、対岸にいるはずの米国でさえも出口などといっている場合ではなくなってしまった。

 それどころか、どんどん金利はどんどん下がって来ていて、低いレベルにステイし続けていている状態だ。たとえば米国10年債もここ1年間は3.0%から4.0%のレンジで取引されていたのだが、下限のほうに定着していて、金曜日も米国の10年債先物では年初来の低いレベルにまで金利が下落してきていている。

 このような金利の動きに反応して、このところドル相場は全面安の展開である。欧州通貨に対してもドルが安くなっているため、相対的にユーロも強くなり、ユーロドルは1.25付近まで戻してきている。ユーロ問題がマーケットの雰囲気を悪くしてきただけに、ユーロ安が一服という感じになると、なんとなくリスク回避へのムードが和らいでいるような気にさせられる。

 しかしいっぽうで債券価格が上昇しているということは、「質への逃避」、すなわち安全資産にお金が向かっているということの裏返しでもある。ひょっとすると、いまは静かな為替市場がネクストステージに移って行く前兆かもしれない。

 もし米国の10年債が3%付近の下限をブレークしてくると2008年12月のような金融危機の時のような相場、すなわちパニック相場に移行する可能性も出てくる。だが、きっかけは何になるのかはわからない。今週末の雇用統計なのかもしれないし、原油価格の急騰なのかもしれない。ともかく株価の暴落を招きかねない、そうした動きには特に要ウオッチだといえる。

 もしそうなれば円相場は一段高となってしまうだろう。万が一にも本当にそうした事態が訪れるとしたら、ドル円で80円割れ、ユーロ円で100円割れという姿を見ても不思議ではなくなるのである。ともかく注意しているにこしたことはない。
 そもそも円債もかなり際どいレベルにいる。日本国債の先物価格で141円台がこじっかりとしてくると、2003年5月のように146円台まで飛んでしまうかもしれない。

 ちなにみその時の日経先物は8000円を下回っていたし、ドル円相場は前年末の安値を更新し、前年末の高値から10%近く下落していた。しばらくは世の中の慌てぶりを計る尺度として、債券相場の動きにも注意を払っておいたほうがよいだろう。

 しかし今晩はあまりイベントもないし、明日以降の重要な経済イベントに備えて様子見になりやすい。私も今日はドル円がこのまま小動きを続けるようならば何もしないことにするし、もしもドル円が88円台に入ってくるようなことがあればショートをつくるつもりでいる。


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