昨日の注目はアメリカのCPIであった。アメリカ国内では金属や原材料価格だけでなく、生活物資の値上がりも目立ってきたからだ。ガソリンや家賃の高騰、そして食料品の値上がりが顕著だ。金融当局はインフレではなくて一時的な物価高なだけだという主張を崩していないが、実生活まで脅かされ始めると、そうも言ってはいられなくなる。
そのCPIは結果としては、事前の予想を下回った、インフレを懸念しはじめていたマーケットは素直に反応した。為替相場では一斉にドルの全面安となり、米国株は上昇。ドル金利は短期も長期も急速に低下した。
しかし市場の不安はそれだけで払拭はできず、カリフォルニア州知事のリコール問題や中国福建省でのロックダウンに加えて、米下院での増税案の真偽の行方が気がかりとなった。米国株は前日比でプラス圏を保つことができなくなり、下値攻め。それまではドル安で進んでいたのだが、ユーロドルが下げに向かい、クロス円の全面安の展開となった。私もユーロ円を売ってはみたが、あまり値幅をうまく取ることはできなかった。
ドル円もユーロドルもしばらくはボックス圏での推移が続きそうだ。テイパリングに絡んで、もうちょっとドルが強くなってもよさそうなものなのに、まったく動意が見られない。米経済の正常化を見込んでのドル買いスタンスをキープしている人たちは、もうすでにドルを買ってしまっているのだろう。
ドル相場が一段高するのに、勢いが感じられないのだ。9月FOMCを通じて、一度は106台くらいまで下がりきらないと、買い上がるだけの余力に乏しいのかもしれない。今晩は大きなイベントはない。ユーロドルのレンジ取引にでも励もうか。
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