昨日は欧州序盤で短期金利が急上昇した。引っ張ったのはユーロ金利だ。ECB会合をひかえて金融政策のタイトニングの意向が示されるのではないかとの思惑がクローズアップされてきたからだ。それもやむをえないところだ。オーストラリアやニュージーランドのスタンスの変更や、BREXITして閉まったが隣国のイギリスも、早期の利上げ観測で沸いている。
辛うじて日本とスイスだけが超緩和状態の維持に拘っているだけだ。いうまでもなくスイスと日本は世界の中でも特別な国であって、スタンダードではない。 肝心の米ドル短期金利も上昇をア始めたノで、それがマーケットを揺さぶった。米ドル金利のフラットニングが進んで、15年超のタームでは逆イールドの状態になってしまうほど。
ドル相場もそれにつられて上昇。ユーロドルは1.15台に沈んだ。しかしECBの金利会合ではハト派的な見解だけが表明された。足下の物価高は一時的なものとし、PEPP資金は使い切る必要はないとしながらも、利上げの条件はまったく整っていないという。これでユーロの金利水準は元のレベルに戻って、通貨であるユーロは全面高のかたちとなった。
ドルが買われすぎていたことの反動であろう。ECBの決着を見たと言うこともあって、ユーロドルの買い戻しが強まった。そしてその流れはニューヨーク市場を通じて、ずっと継続したのである。ユーロの利上げが明確に否定された後だけあって、ユーロの上昇にはついていけなかった。
アメリカのGDPは予想を下回ってプラス2.0%となったが、ある程度の減速は見込まれていたので、マーケットはあまり混乱しなかった。それよりもむしろ個人消費の分が予想を上回る伸びだったのが、市場に安心感を与えたとも言える。米国株は史上最高値を上回ってきて終了している。
米企業決算も大概のものは出尽くして、また市場のテーマは雇用や消費、価格高騰やインフレに戻る。最高値に位置している米国株には高値恐怖症が出てきているのも確か。ドル金利の上昇が続くのかも、確かめていきたい。
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