それは、米国株と米ドルで、内部構造が異なっていることに原因がある!
たとえ同じ材料であっても、それぞれが「我田引水」的に解釈をする。
つまり、株式市場では「景気回復のメッセージ」として読み取り、為替市場では、「利上げの可能性」を中心に読み取るということだ。
どちらか一方だけが「本物」なのか、それとも、両者が「本物」なのか。このような問題は、トレーダーにとってはあまり重要ではない。
重要なのは、マーケットの解釈を読み取り、これからのトレンドに乗っていくことだ!!
このように考えてくると、これから数カ月間は、米ドル高が潜在的なトレンドであるということが、より鮮明になってきていると言えそうだ。
■米ドル/円の値動きを考える上で、カギを握るのは?
それでは、米ドル/円の値動きはどうなっていくか?
結論から言えば、米ドル/円は底打ちして、しばらく反発しやすい構造にあるだろう。だが、そのリバウンドの値幅がどれぐらいであるかということが、問題となってくる。
一部には、米ドル/円の100円台回復もあり得るといった予測もあるようだが、それが実現されるか否かを考える場合、カギは、ドルインデックスのリバウンドのスピードにあるのではないかと思う。
2009年の年初から、豪ドルやユーロが、米ドル安の受け皿としての主役を果たしてきた。その値幅も大きく、ゆえに、これから米ドル高が加速すれば、振幅の小さい対円よりも、調整は、豪ドルやユーロに対して進みやすいだろう。
それは、豪ドル/米ドルの通貨ポジションを見れば、一目瞭然だ!
シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
ご覧のように、豪ドルのロングポジションが、数多くたまっている。
もし、反動があれば、かなりインパクトのある値動きになると推測される。
■当面は、クロス円相場の動向から目を離せない!
また、米ドル高が進むという方向性のみならず、米ドル高が進む“スピード”にも注意する必要がある。
仮に、米ドル高のスピードが速ければ、豪ドルやユーロの下落のスピードも激しくなり、豪ドル/円、ユーロ/円の急落も起こりうる。それは、結果的には米ドル/円のリバウンドを拒み、リバウンドどころか、反落することさえあり得るだろう。
逆に、米ドルの反発が緩やかなものであれば、豪ドルやユーロの下落スピードは緩やかなものとなる。
ひいては、米ドル/円がクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場から受けるインパクトは限定的なものとなり、ドルインデックスとリンクして、緩やかなリバウンドとなるだろう。
いずれにせよ、当面は、クロス円相場の動向から目を離せない。
また、目先、英ポンドが為替市場の「問題児」となる可能性が高く、マーケットの波乱要因として注意しておきたい。
このあたりの分析は、また次回に。
(2009年12月11日 東京時間12:50記述)
ご覧のように、豪ドルのロングポジションが、数多くたまっている。
もし、反動があれば、かなりインパクトのある値動きになると推測される。
■当面は、クロス円相場の動向から目を離せない!
また、米ドル高が進むという方向性のみならず、米ドル高が進む“スピード”にも注意する必要がある。
仮に、米ドル高のスピードが速ければ、豪ドルやユーロの下落のスピードも激しくなり、豪ドル/円、ユーロ/円の急落も起こりうる。それは、結果的には米ドル/円のリバウンドを拒み、リバウンドどころか、反落することさえあり得るだろう。
逆に、米ドルの反発が緩やかなものであれば、豪ドルやユーロの下落スピードは緩やかなものとなる。
ひいては、米ドル/円がクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場から受けるインパクトは限定的なものとなり、ドルインデックスとリンクして、緩やかなリバウンドとなるだろう。
いずれにせよ、当面は、クロス円相場の動向から目を離せない。
また、目先、英ポンドが為替市場の「問題児」となる可能性が高く、マーケットの波乱要因として注意しておきたい。
このあたりの分析は、また次回に。
(2009年12月11日 東京時間12:50記述)
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