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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドルの切り返しは、まだ始まったばかり!
だが、ドル/円の100円台回復には死角も!?

2009年12月11日(金)17:45公開 (2009年12月11日(金)17:45更新)
陳満咲杜

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■テクニカル面で見れば、米ドル高がしばらく続きそう

 筆者の予想どおり、ドルインデックスは、米国の雇用統計が発表となった先週末、12月4日(金)から大きく切り返し、一時は76.33まで値を戻している。
ドルインデックス 日足(クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

前々回のコラムで筆者が強調したように、ドルインデックスは、先々週のセリング・クライマックスを経て、「ダイアゴナル・トライアングル」の上放れを果たした「今回の急落はセリング・クライマックス。米ドルは底打ち完了で、リバウンドへ!」を参照)

 ここで改めて、「ダイアゴナル・トライアングル」について説明すると、1つのトレンドの最終段階に「急落」の形が表れ、セリング・クライマックスを経てから、反騰に入る場合が多いとされるフォーメーションだ。

 従って、テクニカル面で見れば、米ドル高の局面がしばらく続くことになる

 だが、足元で見られる米ドルの切り返しは、まだ、初歩段階にあると思う。

■「悪い米ドル高」から「良い米ドル高」へと転換した

 ところで、米ドルの切り返しを引き起したファンダメンタルズの材料は、筆者の想定とは反して、米国の雇用統計の「悪化」ではなく、逆に、その「改善」であった。

 なお、最近は、米国内の雇用環境が柔軟なものとなり、流動化が進んだせいか、米国の雇用統計の結果が、事前の予測とかけ離れることが多くなった。

 また、発表後に修正されることもよくあるので、マーケットにサプライズをもたらす傾向にあるようだ。

 それでは、米国の雇用環境の改善によって、米ドルが買われるということは、何を意味するのか?

 これについては、筆者は、最近、「悪い米ドル高」から「良い米ドル高」へと転換したのではないかと考えている。

 つまり、先々週までは、「米国の雇用環境の悪化 → 景気回復が遅れる → リスク選好度の低下 → リスク回避で米ドル買い/外貨売り」で、“後ろ向きの米ドル高”の構造となっていた。

 これに対して、最近になって「米国の雇用環境の改善 → 景気回復が早まる → 米国の早期利上げへの期待 → 米ドル買い/外貨売り」と、“ポジティブな米ドル高”の構図に、修正されつつあるように思う。

■米国の雇用環境が改善しているということは?

 ここで注意していただきたいのは、前述のシナリオは、あくまで市場心理の変化に重点を置いた推測であって、米国の雇用環境が本当に改善しているかどうかは、別の問題だ。

 実際、たった1回の数字の改善では、米国が景気回復に向かい始めたとは言い切れない。

 また、前述したように、米国の雇用統計の数字は、ブレがあったり、市場予想とのかい離が大きいものであるため、中~長期の景気を見通す材料としては、なかなか役に立たない。

 そうなると、データ自体の好悪ではなく、マーケットの内部構造が市場の解釈を決めるということに、注目する必要がありそうだ

 仮に、米国の利上げの期待が高まっているのであれば、米国株は下落に転じるはずだ。

 ところが、昨日までの相場を見る限り、米国株は高値圏で推移しており、少し前のように「米ドル堅調=米国株軟調」といった構図にはなっていない

 これは、どういうことなのか?
 それは、米国株と米ドルで、内部構造が異なっていることに原因がある!

 たとえ同じ材料であっても、それぞれが「我田引水」的に解釈をする。

 つまり、株式市場では「景気回復のメッセージ」として読み取り、為替市場では、「利上げの可能性」を中心に読み取るということだ。

 どちらか一方だけが「本物」なのか、それとも、両者が「本物」なのか。このような問題は、トレーダーにとってはあまり重要ではない。

 重要なのは、マーケットの解釈を読み取り、これからのトレンドに乗っていくことだ!!

 このように考えてくると、これから数カ月間は、米ドル高が潜在的なトレンドであるということが、より鮮明になってきていると言えそうだ。

■米ドル/円の値動きを考える上で、カギを握るのは?

 それでは、米ドル/円の値動きはどうなっていくか?

 結論から言えば、米ドル/円は底打ちして、しばらく反発しやすい構造にあるだろう。だが、そのリバウンドの値幅がどれぐらいであるかということが、問題となってくる

 一部には、米ドル/円の100円台回復もあり得るといった予測もあるようだが、それが実現されるか否かを考える場合、カギは、ドルインデックスのリバウンドのスピードにあるのではないかと思う。

 2009年の年初から、豪ドルやユーロが、米ドル安の受け皿としての主役を果たしてきた。その値幅も大きく、ゆえに、これから米ドル高が加速すれば、振幅の小さい対円よりも、調整は、豪ドルやユーロに対して進みやすいだろう

 それは、豪ドル/米ドルの通貨ポジションを見れば、一目瞭然だ!
シカゴIMM通貨先物ポジションの推移
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 ご覧のように、豪ドルのロングポジションが、数多くたまっている

 もし、反動があれば、かなりインパクトのある値動きになると推測される。

■当面は、クロス円相場の動向から目を離せない!

 また、米ドル高が進むという方向性のみならず、米ドル高が進む“スピード”にも注意する必要がある。

 仮に、米ドル高のスピードが速ければ、豪ドルやユーロの下落のスピードも激しくなり、豪ドル/円、ユーロ/円の急落も起こりうる。それは、結果的には米ドル/円のリバウンドを拒み、リバウンドどころか、反落することさえあり得るだろう

 逆に、米ドルの反発が緩やかなものであれば、豪ドルやユーロの下落スピードは緩やかなものとなる。

 ひいては、米ドル/円がクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場から受けるインパクトは限定的なものとなり、ドルインデックスとリンクして、緩やかなリバウンドとなるだろう。

 いずれにせよ、当面は、クロス円相場の動向から目を離せない。

 また、目先、英ポンドが為替市場の「問題児」となる可能性が高く、マーケットの波乱要因として注意しておきたい。

 このあたりの分析は、また次回に。

(2009年12月11日 東京時間12:50記述)
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