今週月曜日(4月6日)よりドル/円は101.45円まで上昇し、102円のターゲットに一段と近づいた。
これと相まって、クロス円(ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場においても、ユーロ/円の137.40円、英ポンド/円の151.52円、豪ドル/円の72.84円など、高値打診が見られた。
■ドル/円は200日線にサポートされ、堅実な地合いが続く
しかし、前回も書いたように、短期トレードならばクロス円相場のほうが妙味があるものの、もう少し長いスパンで見るならばドル/円のほうが「無難」という考え方もある。その根拠は200日移動平均線(200日線)との関係にある(「上値ターゲットを104円台へ上方修正!ドル/円の買いは今からでも遅くない」参照)。
(出所:米国FXCM)
上のドル/円日足チャートを見ていただきたい。まず、昨年12月と今年1月の安値を「ダブル・ボトム」としたフォーメーションの上値計算値(上値メド)に、今週の高値が近づいているということがわかる。
つまり、今週の高値打診は「教科書」どおりの値動きで、2月23日(1月6日の高値を更新した日)以降、すでに予想の範囲内に入っていたものであった。
その上、長期スパンにおける分水嶺の役割を果たす200日線を4月2日の終値で突破したことも見逃せない。これは昨年9月末以来の出来事であり、ドル/円のリバウンドの強さを物語るサインとして受け取ることができる。
対照的に、ユーロ/円は200日線を打診してから反落してきた。豪ドル/円はまだ200日線にタッチせず、英ポンド/円は200日線とほど遠い位置にある。
ちなみに、ドル/円は101.45円から反落して調整的な値動きを見せているが、4月8日の安値が200日線にサポートされていたことも見逃せない(上のチャートの赤円の部分)。
総合的に見れば、ドル/円のほうが他のクロス円よりも堅調な地合いであることが明らかだ。
■ドル買いポジションを手仕舞う理由はない!
では、「後出しジャンケン」に参加できるシグナルはあったのだろうか? 下のチャートをご覧いただきたい。
上のドル/円日足チャートを見ていただきたい。まず、昨年12月と今年1月の安値を「ダブル・ボトム」としたフォーメーションの上値計算値(上値メド)に、今週の高値が近づいているということがわかる。
つまり、今週の高値打診は「教科書」どおりの値動きで、2月23日(1月6日の高値を更新した日)以降、すでに予想の範囲内に入っていたものであった。
その上、長期スパンにおける分水嶺の役割を果たす200日線を4月2日の終値で突破したことも見逃せない。これは昨年9月末以来の出来事であり、ドル/円のリバウンドの強さを物語るサインとして受け取ることができる。
対照的に、ユーロ/円は200日線を打診してから反落してきた。豪ドル/円はまだ200日線にタッチせず、英ポンド/円は200日線とほど遠い位置にある。
ちなみに、ドル/円は101.45円から反落して調整的な値動きを見せているが、4月8日の安値が200日線にサポートされていたことも見逃せない(上のチャートの赤円の部分)。
総合的に見れば、ドル/円のほうが他のクロス円よりも堅調な地合いであることが明らかだ。
■ドル買いポジションを手仕舞う理由はない!
では、「後出しジャンケン」に参加できるシグナルはあったのだろうか? 下のチャートをご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
前回のコラムで指摘したように、ドル/円は大型「逆三尊型」のフォーメーションとなったことにより、上値ターゲットを104円台へと移動させた。そのネックラインの突破に相まって、移動平均線はブル(上昇)基調を示す「パーフェクト序列」を示していた(「上値ターゲットを104円台へ上方修正!ドル/円の買いは今からでも遅くない」参照)。
つまり、5日線(緑)>10日線(赤)>20日線(ブルー)>50日線(ピンク)の序列が4月に入ってから鮮明になってきたのだ。この序列は現在まで続いており、中期トレードを行う方にとっては、ドル買いポジションを手仕舞う理由が見当たらない。
その上、同フォーメーションの「ライト・ショルダー」(赤で四角く囲った部分)を検証すれば、日本の伝統的な罫線足型である「明けの明星」のパターンであったことがわかる。これは強気パターンであるため、買いのシグナルとして認識できる。
前回のコラムで指摘したように、ドル/円は大型「逆三尊型」のフォーメーションとなったことにより、上値ターゲットを104円台へと移動させた。そのネックラインの突破に相まって、移動平均線はブル(上昇)基調を示す「パーフェクト序列」を示していた(「上値ターゲットを104円台へ上方修正!ドル/円の買いは今からでも遅くない」参照)。
つまり、5日線(緑)>10日線(赤)>20日線(ブルー)>50日線(ピンク)の序列が4月に入ってから鮮明になってきたのだ。この序列は現在まで続いており、中期トレードを行う方にとっては、ドル買いポジションを手仕舞う理由が見当たらない。
その上、同フォーメーションの「ライト・ショルダー」(赤で四角く囲った部分)を検証すれば、日本の伝統的な罫線足型である「明けの明星」のパターンであったことがわかる。これは強気パターンであるため、買いのシグナルとして認識できる。
ただし、注意していただきたいのは、罫線について市販の教科書やインターネットにおいて説明と解釈が多く書き記されているものの、そのほとんどが安易なものであるということだ。
伝統的な罫線によるサインが、実際にはそれほど明快なものではなく、さらに先物や株式と違って、始値の意義が必ずしも重みを持たない為替マーケットではその正確性が一層低下する傾向にある(だから拙作では一切扱っていない)。
従って、この「明けの明星」の意義を認めたのはあくまで「逆三尊型」との整合性から得られた結論であり、かつネックラインの突破によって確認されたシグナルだと強調しておきたい。
■「トライアングル」上放れの時がエントリーの好機だった
総合的に見るといろいろなサインが揃っていて、遅くても4月3日あたりでこの「後出しジャンケン」に参加すべきだった。では、実際のトレーディングのタイミングをどのように計ったか、1時間足を見て説明したい。
伝統的な罫線によるサインが、実際にはそれほど明快なものではなく、さらに先物や株式と違って、始値の意義が必ずしも重みを持たない為替マーケットではその正確性が一層低下する傾向にある(だから拙作では一切扱っていない)。
従って、この「明けの明星」の意義を認めたのはあくまで「逆三尊型」との整合性から得られた結論であり、かつネックラインの突破によって確認されたシグナルだと強調しておきたい。
■「トライアングル」上放れの時がエントリーの好機だった
総合的に見るといろいろなサインが揃っていて、遅くても4月3日あたりでこの「後出しジャンケン」に参加すべきだった。では、実際のトレーディングのタイミングをどのように計ったか、1時間足を見て説明したい。
(出所:米国FXCM)
ドル/円の1時間足に単純移動平均線を描いており、10MA(赤)、20MA(ブルー)、30MA(緑)、50MA(ピンク)、100MA(紫)、200MA(黄色)と並んでいる。
最初のエントリーの好機は、図の「トライアングル」(三角保ち合い)を上放れた時だった。各移動平均線がいったん「パーフェクト序列」を示した後、また急速に絡み合い、再び放れていた時期とも重なっていたことがわかる。
これは4月2日の出来事なのだが、前述のように「逆三尊型」のネックライン突破と200日線のブレイクとが重なっていたので、ここでロングポジションを持つべきだった。
■「パーフェクト序列」の時は高値追い戦略が堅実!
より堅実なのは、移動平均線の「パーフェクト序列」がはっきりしていた時の高値追い戦略だ。拙作「FXトレーディングの真実」にて紹介したように、短期トレードならばこの戦略は非常に高い確率で成功する。
上のチャートに、エントリーと決済のタイミングを示している。なお、エントリーは移動平均線のシグナルに頼っていたので、決済も同じく移動平均線のサインに基づくべきであった。
この例では、決済の根拠は10MAと20MAのクロスだった。もちろん、最初から短期トレードではなく、中期スパンのシグナルに基づいた取引ならば手仕舞いは別の根拠に基づかなければならないので、その時点では決済されていなかったはずだ。
■マネーゲームそのものを楽しめば自然に利益は上がる
このように、トレーディングはチャートの指示に沿って淡々とこなせるものだ。
トレードで興奮、激高、失望、怨念、後悔など感情を伴うならば、本物のトレーダーになっていない証拠であるため、取引を一時止めて頭を冷やしてから始めるべきである。
また、禅問答のような言い方をすれば、みなさんは金儲けのためにFX取引を行っているが、それゆえ、金儲けを目的にしてはならない。
いかにシグナルを発見し、値動きに乗れるかに注力して、マネーゲームそのものを楽しめば利益は自然についてくる。これを悟れるかどうかで雲泥の差が生まれるのだ。
最後に、ドル/円が104円台まで上昇すれば、それ自体が重大な意味を持つことになるから、注目すべきことであろう。言うまでもないが、私は依然として、同目標が達成される可能性は大きいとみている。
ドル/円の1時間足に単純移動平均線を描いており、10MA(赤)、20MA(ブルー)、30MA(緑)、50MA(ピンク)、100MA(紫)、200MA(黄色)と並んでいる。
最初のエントリーの好機は、図の「トライアングル」(三角保ち合い)を上放れた時だった。各移動平均線がいったん「パーフェクト序列」を示した後、また急速に絡み合い、再び放れていた時期とも重なっていたことがわかる。
これは4月2日の出来事なのだが、前述のように「逆三尊型」のネックライン突破と200日線のブレイクとが重なっていたので、ここでロングポジションを持つべきだった。
■「パーフェクト序列」の時は高値追い戦略が堅実!
より堅実なのは、移動平均線の「パーフェクト序列」がはっきりしていた時の高値追い戦略だ。拙作「FXトレーディングの真実」にて紹介したように、短期トレードならばこの戦略は非常に高い確率で成功する。
上のチャートに、エントリーと決済のタイミングを示している。なお、エントリーは移動平均線のシグナルに頼っていたので、決済も同じく移動平均線のサインに基づくべきであった。
この例では、決済の根拠は10MAと20MAのクロスだった。もちろん、最初から短期トレードではなく、中期スパンのシグナルに基づいた取引ならば手仕舞いは別の根拠に基づかなければならないので、その時点では決済されていなかったはずだ。
■マネーゲームそのものを楽しめば自然に利益は上がる
このように、トレーディングはチャートの指示に沿って淡々とこなせるものだ。
トレードで興奮、激高、失望、怨念、後悔など感情を伴うならば、本物のトレーダーになっていない証拠であるため、取引を一時止めて頭を冷やしてから始めるべきである。
また、禅問答のような言い方をすれば、みなさんは金儲けのためにFX取引を行っているが、それゆえ、金儲けを目的にしてはならない。
いかにシグナルを発見し、値動きに乗れるかに注力して、マネーゲームそのものを楽しめば利益は自然についてくる。これを悟れるかどうかで雲泥の差が生まれるのだ。
最後に、ドル/円が104円台まで上昇すれば、それ自体が重大な意味を持つことになるから、注目すべきことであろう。言うまでもないが、私は依然として、同目標が達成される可能性は大きいとみている。
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