昨日の欧州市場、ドル円は83円台のミドルで迎えた。あいかわらず緊張感はないが、東京時間では今年の最安値を更新した後だ。ポルトガルがおこなった10年債の入札は旺盛な申込があった。このところアイルランド、ポルトガルなどの国債はドイツ国債とスプレッドを広がり過ぎていたため、すこし安堵感が流れたようだ。
これで次に予定されるアイルランドの入札も、なんとかなりそうということもあるのだろう。しかし入札をおこなうための金利自体は他のEU諸国よりも高いし、前回よりも上がっている。とても楽観的になれるものではないはずなのだが…。それでも、ともかくクロス円は戻り歩調となった。
米国株も大きく買い戻されてスタートし、ニューヨーク市場でもリスク回避への動きは和らいだ。ドル円も84円ちょうどをタッチしはじめた。ただベージュブックも見たいということもあったのだろうが、ニューヨーク市場はかなり静かだった。日足のチャートを見てもわかるように、ドル円は腰の入った下落局面である。したがってトレンド方向への歩みがノロく、そのせいで戻しもそれなりにある。売るタイミングを計らないと、苦しい思いをしてしまうので、なかなか下手に手が出せない。
ベージュブックでは、ほとんどの地域での景気減速が報告されていて、バーナンキ議長が発言していた内容を、そのまま裏付けることとなった。為替市場も少しは反応し、ドル円で20ポイントほど下落したが、そこまで。動かない時に手を出してもしかたがないので、私はせっかく夜更かししたのに(涙)、何もしなかった。
本日も日本政府の要人から、為替相場についていろいろな発言も出てきているし、経済対策についても言及があった。しかし何しろ政府も日銀も、FRB(米連銀)のように、景気判断を下向きに変えているわけではない。「回復基調」と主張しているのに、わざわざ何か対策をするのもおかしな話しだ。
朝の会見で、白川総裁は先日の追加緩和は、為替市場のためではないと発言しているようだが、日本の要人達がいう「必要になれば」という、「必要な」環境に、今立っているという認識を、当局者が持っているようには思えない。またここにきて、為替介入に対してネガティブな意見も出てきている。
今晩はアメリカの貿易収支くらいだが、あまり大きなインパクトにはないだろう。欧州株は切り返してきたが、米国オープンとアイルランドの短期債入札を気にする展開になるのだろう。
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