昨日はADPの労働調査が出た。就業者数は20万人くらいの増加が見込まれていたのに、結果はマイナスの30万人となった。その差は50万人もあるのに驚かされた。いったい何を予想しているのだろうか。
ニューヨークやロサンジェルスなどの大都市だけでも実際に目で見て、ちゃんとカウントしていれば、このような大外れはなかったのではないかとも思ってしまうし、電話などで聞き取り調査もせずに、前回値を参考にして鉛筆なめなめによって作った予想値だったのかもしれない(笑)。
ともかくもマーケットでは就業者数が伸びないのは、ある程度、織り込まれてしまっている。その上で失業率の低下がもたらされて、労働の逼迫感が強まるだろうというのがコンセンサスとなりつつある。だから就業者数の減少には、あまりサプライズ感はない。マーケットが心配しているのは、労働市場の体とかによる賃金の上昇圧力だ。そして最終的に迎えることになるインフレである。
それでも昨日のADPの結果をうけてドル金利は低下。それに従ってドル相場も軟化を余儀なくされた。ユーロドルが1.13台まで戻ってきたのは、私としてはちょっと驚きだ。今年の利上げ5回分と言うのは、依然として市場価格に織り込まれている。
だから金融政策の見通しに関して劇的な変化が起こったわけではない。今少しくはドルの戻り場を見極めたいところだ。短期的にドルショートの溜まりすぎの調整に過ぎないのかどうか。
今晩はイギリスとECBで金利会合がある。イギリスは25ベーシスの利上げ予想で、ECBは変更なしである。注目点はECBがまだ金融緩和姿勢の維持に拘るのかどうかである。ECBさえ変化の兆しが見えれば、世界的にももっとインフレ対策としょうして利上げを打ち出しやすくなるはずである。
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