昨日もニューヨーククローズに至る直前まで、米ドルの短期金利は上昇した。すでに今年2022年末まで6回分の利上げを完全に織り込んでしまった。これでは3月に50ベーシスの利上げはもちろんのこと、6月の利上げでも50ベーシスが見込まれているということになる。
そもそも対策の目的はインフレ退治なのだから、チョロチョロと利上げをしていても意味がない。最初のうちにガツンと上げるのが良い処方である。後はパウエル議長などFED関係者がそれをどのように追認していくかである。
ドル金利の上昇にもかかわらず、昨日はリスクテークが進んだ。市場におけるもう一方の懸念材料でもあるウクライナ問題が和らいだように見える材料も出てきたからだ。ロシアとフランスの首脳会談で、プーチン大統領がこれ以上の事態の悪化を起こさせないと口約束したからだ。
イランとの交渉においても進展がありそうという思惑もあり、これらによって原油相場も軟化し、市場に安心感がもたらされたからだ。そうした中でも為替相場は実に小さい値動きとなった。確かにドル円などは今年の最高値を更新してきてはいるものの、値幅が小さい。
私もユーロドルをショートにしてドルロングで攻めてみたりしたのだが、気持ちのいいトレードはできなかった。ポジションを作っても、すぐに動かなくなるのである。損をしなくても、動かないのはたまらない。なんだか労力の無駄だけを被ったという感じである。
今晩もドル金利の一段高が期待される。それに対してマーケットがどのように反応するのか。要人発言なども気になるところだ。
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